【意思決定と不確実性分析マネジメント】賢明で合理的な選択と企業の成長するシナリオを描き出す際の5つのステップ

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企業において出てきたアイデアはいくつもあるであろう。その際にアイデアの「見える化」を行わなければ、全体の共有も出来ず、達成したいゴールもまた闇のなかである。

この段階では、ゴールに至るまでの道筋を示すことが重要であり、時間軸よりも因果関係(あるいは構成要素)で示す必要がある。そう全体を影響力を及ぼす関係を落とし込む必要がある。

その際に合理的な選択を導き出す5つのステップを見ていこうと思います。 参照文献 【不確実性分析 実践講座

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インフルエンス・ダイアグラム

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インフルエンス・ダイアグラム

意思決定項目と不確定要素、価値基準(評価指標)の相互の関係を矢印で連結した図。各要素間の連鎖的影響関係を示す思考・ビジュアル化ツールとして使われる場合と、各要素に確率分布を与えて定量分析・シミュレーションを行うツールとして使われる場合がある。

ビジネスや経営などの課題を意思決定項目、不確定要素、価値基準の諸要素に分解して、それぞれの関係を明らかにするもので、課題の構造を分析・把握したり、ビジネスモデルを分析的に記述して関係者間で意識共有を図ったりということに使われる。

シナリオ・プランニングにおいて、段階的な意思決定を含むシナリオ構築・分析を行う場合などに利用される。最も高い期待利得を示す経路を見いだすことだが、思考ツールとしてのインフルエンス・ダイアグラムは企業や事業の収益構造を理解し、どの要素が収益に影響を及ぼしているのかを把握することだといえる。

例えばレストランの売上を構成するのは、ランチとディナーの売上と言えるし、また食事売上と飲食売上と言うこともできる。そのどちらも正しいが、レストランビジネスを設計するうえで、どちらの切り口がより効果的かを見定める洞察力と、あたたが描くビジョンが重要となってくる。

因果関係に加減乗除の関係性を加えることによって、ゴール(目標)までのプロセスを簡単な式で表現することが出来る。曖昧なアイデアがロジックと数字に置き換えられ、誰もが理解しやすい見える化を行うことができる。俗にいう「モデルを創る」である。

不確実・不合理を見通しデータにリスク幅をつける

経営のシナリオで上手く”数字の見込み幅”を上手く使っているのが米国のアマゾン社である。

うまくいく場合だけを説明してしまうと、経営者は責任者の追及に追われ、投資家から嘘つき呼ばわれされ、金融機関からは約束が違うと言われるであろう。良い情報ばかり説明してしまうと、悪い方に外れやすくなってしまう。

経営者が良い情報ばかりに固めてしまうと、外面のみの経営をすることが多く、粉飾や利益の付け替えなどの温床となりやすく、最悪の場合利害関係者を騙すと言う行為に走りやすくなってしまう。上手く行く場合と上手く行かない場合をその両方を説明することは大変重要である。

影響参考例:Evercore’s Sena Says Amazon Growth Story Remains Intact

2012年第 4 四半期財務的見解

営業利益は前年同期比56%増の4億500万ドルとなり、事前予想値の上限を上回った。営業利益率は1.9%で前年同期の1.5%から改善した。販売を開始してから5年がたった電子書籍は数十億ドル規模の事業に成長しており、昨年1年間で約70%伸びている。一方昨年12月における印刷書籍の売上高はわずか5%増にとどまり、17年間の書籍販売実績で最も低い成長率だった。

2013年第 1 四半期の見通し

売上高を150億~166億ドル(前年同期比14~26%増)営業損益は2億8500万ドルの損失~利益6500万ドルの範囲内と予測している。

参照資料 【Amazon.com 発表資料
参照記事 【Amazon.comの2012年Q4決算はタブレット好調で売上高22%増、印刷書籍は低い伸び

このプレスリリースでは、業績予想は幅でしか記載していない。本質的にアマゾン社は予測が難しいと言い切っている。これはメッセージが投資家に誤った期待感を抱かせないようにする配慮であろう。

投資家には、不確実性を踏まえて、自らの判断で決断して行動してもらいたいとの考えがここに表れている。基準値 / 最大値 / 最小値 などのブレ幅を考えておくことが重要であり、それはリスクと表現される。金融で言うリスクとは危険の事では無く「数字の幅」である。

数字を幅で考えると言うことは、その数字のリスクを考えることと同義となり、幅が小さいはリスクは小さい、幅が大きいはリスクは大きいと考えることができ、2つの基準値が同じであれば、どちらのブレ幅がより大きいかを考えればよい。

例えば、事業リスクを低減するには、数字と数字のつながりから、製造原価を小さくすることが効果的と言うことが分かったら、さらに製造原価のブレ幅をどの程度まで小さくすれば、利益の幅を小さくできるか、といったこともわかるようになる。

この考えで私の専門である建築コストマネジメントであったり、事業のリスクマネジメントにも応用できると言うわけです。データの幅を厳密に考える際には、何らかの目安を定めることが重要である。

計画の段階で、正しいと言える数字を得る方法は残念ながらない。したがって、計画の数字は、結果の数字と異なるのは当然である。このような不確実性を数字で表現するには、私がコンサルする場合は、数字を幅で考えて伝えています。

戦略的変数確認会議の設置

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変数確認会議とは、数字的に落とし込んだ意味、すなわち仮説を確認するきわめて重要なプロセスである。
以下重要となる3つのポイント

① データ設定に関する議論の場を計画プロセスの1つと定義し、数字を検証した議事録を残す

  • 売上や利益の数字を見るよりも、どのようにその数字が導き出されたのか、データの根拠・設定の背景を確認することが不可欠である。

② 対立する構図を意図的につくり必ず議論が生じるようにする(経営者などによるワンマンな体制にしない)

  • チェック&バランスの仕組が重要であり、組織内で継続的に実行しなければ、次第にチェック機能・確認がゆるくなり、ミスやエラーが起こりやすくなる。具体的には提案者の説明に対し、承認者の質問・反論をすることによって、データの妥当性を検討する。一見美しいが実は判断が甘いという提案を退けることが出来る。

③ 事実と仮説を明確に分けて考える

計画に用いられるデータは、事実の部分と仮説の部分がある。何が事実で何が仮説かを峻別する必要がある。

  • 実績を同業他社によるベンチマーク:それは似ている事例であり仮説。
  • 専門家による予測:データは事実であるが、今検討している計画に対しての仮説。
  • 情報と時間が無く自分で考えた:事実は存在せず仮説。

などそれぞれ考えて検証していく必要があるだろう。

これらデータの根拠を確認していくと、たいてい売上や利益の数字は悪くなる。とくに経営者や部門担当者が一人でやっていると、当初の数字になるように辻褄合わせの誘惑に駆られる。

設計者の場合の予算にも合わない計画錯誤に陥ったり、経営者による根拠のない過大な目標による思い込みやうぬぼれは、第三者による客観的なチェック&バランス機能が働いていないからだ。

だがこのように、オープンな議論をしていると、辻褄合わせの調整が難しくなり、結果として関係者に対する信頼性が高まることにつながる。

計画は意見に過ぎない。正しいデータなど、何処にも存在しない。数字的根拠を確認し、不確実性を理解したうえで、自ら決断し判断して行動する。

デシジョンツリーの活用

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ディシジョンツリー:Decision tree/決定木/意思決定ツリー/デシジョンツリー

意思決定の“決定”や命題判定の“選択”物事の“分類”などを多段階で繰り返し行う場合、「分岐の繰り返し」を階層化して樹形図に描き表したグラフ表現、あるいはその構造モデル。予測モデル構築、意思決定分析・最適化、分類問題の解決、概念・知識の記述、ルールの抽出・生成などに利用される。意思決定理論の分野においては、意思決定と不確定条件によって分岐を繰り返す多重決定問題モデルを示したもので、プロセスと予測される結果を示す。

決定理論の主要分析ツールである。ただし、命題数が増えるごとに結果の数が等比級数的に増大するので、問題が複雑だと巨大で複雑なツリーが生成されることになる。これを補うためインフルエンス・ダイアグラムが提唱されている。

バックワード・インダクション:最適な意思決定予想と参入する際のゲーム思考

例題 : ある町に、パン工場(A工場)があります。A工場は、町にある唯一のパン工場で、シェア100%です。ところが、B工場がこの町への参入を狙っています。B工場は参入すべきでしょうか。それともやめるべきでしょうか。そしてB工場の参入に対して、A工場はどのような行動を取れば良いでしょうか。

B工場に与えられた選択肢は「参入する・参入しない」の二つです。A工場にはどのような選択肢があるでしょうか。B工場が参入してくることを想定すれば「戦う・融和する」という選択肢が考えられます。

戦うというのは、価格競争を繰り広げるなど、B工場にシェアを奪われないように徹底抗戦することです。
融和するとは、B工場と協定を結び、友好的にシェアを分担し、お互いが納得いく形で事業を進めるということです。

A工場の選択肢: ① 戦う ② 融和する
B工場の選択肢: ① 参入する ② 参入しない

この場合、2×2マトリックスによるナッシュ均衡と時間の経過と意思決定の順番を正しく示す、デシジョンツリーを活用します。

定義 : もともとはA工場が市場を独占していたので、A工場が得ていた利益を”3″と仮定。もし、B工場が参入しなければ得られる利益は”0″です。また価格競争や取引先・仕入れ先の奪い合いが起こった場合、A・B工場が得られる利益は”マイナス 1″と仮定します。

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B工場が「参入する」を決めてしまえば、A工場が戦うメリットは失われます。
戦えば「マイナス 1」融和すれば「プラス 1」ですから結局は「融和する」を選んでくるはずです。

Nash Equilibrium

ナッシュ均衡

ナッシュ均衡は、ゲーム理論における非協力ゲームの解の一種であり、いくつかの解の概念の中で最も基本的な概念である。ナッシュ均衡は、他のプレーヤーの戦略を所与とした場合、どのプレーヤーも自分の戦略を変更することによってより高い利得を得ることができない戦略の組み合わせである。ナッシュ均衡の下では、どのプレーヤーも戦略を変更する誘因を持たない。ナッシュ均衡は必ずしもパレート効率的ではない。その代表例が囚人のジレンマである。

バックワード・インダクション:後ろ向き帰納法

ゲームにおいて先攻の人が常にゲーム展開を先に進めることとなるが、先攻の人の戦略は後攻の人のリアクションや戦術を念頭に入れた行動となることをいう。ゲームを行うときの戦略の一種である。バックワードインダクションは、後攻の人のゲーム戦略についても浮き彫りにすることができるという特徴も併せ持っている。相手の心理を読みながらゲームを進めていく特徴がみられる。決して自分の利益だけでは動かない。その戦略の一つにバックワードインダクションがある。

簡単に言うと最後に意思決定する人から順番に最適な行動を選び、最適でない選択肢を消していく方法である。この手法で導出された戦略の組を”部分ゲーム完全均衡”ともいいます。

部分ゲーム完全均衡

ゲームの最後の行動を考え、行動をとったプレーヤーの効用を最大化する行動は何であるべきかを決定する。 次に最後のプレーヤーが行動をとったと仮定した場合、 最後から二番目の行動を考え、最後から二番目のプレーヤーの効用を最大化する行動を選択する。 この過程をゲームの最初の手番まで継続する。

【理と情のバランスが重要】

このように、不確実性に対しての有効なツールは、私の仕事でも大いに役立っている。先人の知恵には様々なメリットがあり、合理性を追求する際には非常に有効な手法である。

ただこうした合理性ばかりでビジネスは動いているわけではないので、使い過ぎないように節目節目で部分的に使用しているところが現状である。

感情面においては、そいいった意味で、”情”におけるビジネスの動きを研究するため、ここでは”認知心理”や群衆や”組織などの社会心理”も同じように扱っているのである。

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