【最強組織の法則】現象を支配するパターンを見抜く ビジネスに生じる悪循環とは【成長の限界と問題のすり替え】

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1. 成長の限界

定義

多くの成功した企業は、成功への連鎖反応を生み、気づかぬうちに副作用を生じさせ、成功のペースを落としてしまう。

経営原則

成長を無理強いせず、成長を制限している要因を取り除くこと。

組織の成長は一定期間つづいても、やがて止まりやがて停滞期が訪れる。急で前向きな改善努力は、たいてい成長限界に突き当たる。急な仕事の締切が迫れば残業で「解決」できるかもしれないが、ストレスと疲れがたまった結果、仕事のペースと品質が落ち、残業の代償を支払うことになる。

このような現象を支配するパターンを見抜く ビジネスに生じる悪循環を順にみていこう。

さらに詳しい内容を知りたい方は 【 最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か 】 を参照されたし。

構造事例の理解と活用

成長限界の構造は組織の様々な段階に見られる。ベンチャー企業でいえば、小回りの良さと現場の人間が自由闊達に開発をすることで、新製品を次々と出すことができたことで急速に成長したとする。

新製品の売上が伸び、収益がアップし、研究開発予算が増加し、技術者及び研究者の数も増える。成長の限界に近づきついに、技術系の人員数が急増して組織が複雑化し管理が困難になる。

優秀な技術者は、上級管理者となり、エンジニアリングに費やす時間が少なくなり、経験豊富な技術者がエンジニアリングから離れてマネジメントにあたることになり、製品開発に要する時間が長くなり、新製品導入ペースがダウンする。成長の鈍化は、昇進のチャンスの減少、若手社員同士の競争の激化、全社的な勤労意欲の低下を意味する。

組織の行動パターンとレバレッジ

こういった構造では、制限が徐々に強力になる。小さなベンチャーであれば、隙間市場の支配力を失い、拡張循環は逆向きに回り始め、社内の勤労意欲は実際に下降の循環をたどりはじめる。

一般に成長限界という状況に対し、多くの人は強引な押しで対抗しようとする。従業員の不満を感じることも多くなり、機嫌をとるために若手をどんどん昇進させたりする。また、新製品の売れ行きが鈍ってきやら、次々と新製品開発に着手して、低迷している製品の埋め合わせをしようとする。

慌てて対処する企業の改善の様子が見て取れる初期段階においては、同じことをさらにつづけようとする。最初のうちは非常に順調にいくが、改善のペースが鈍りが出てくると、より努力をしようとするが、残念ながら同じ方法で推し進めようと熱心になればなるほど、平衡プロセスはより強くなる。

そして努力はますます無駄になるのである。多くの企業(未上場や中小零細などは監視が働かないこともあり)では当初の目標をあきらめてしまう経営者も多い。

成長限界の状況に立ち向かう手法

レバレッジは拡張循環ではなく平衡循環にあり、そのシステムの行動を変えるためには、制限要素を特定し、それを変えなければならない。以上から言えることは、これまで考えもしなかった措置や気づきもしなかった選択肢と意思決定、報酬や基準の変化が必要となる。

従来のヒエラルキーでなく、新しい評価基準及び報酬体系が必要であり、組織の複雑化における管理負担を減らし、権力分散によって対処し、技術者の管理に熟練した専門家を招くことで対処できる。

2. 問題のすり替え

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【関連書籍】当たりだった書籍。合わせて読んでいくと深い理解が得られる書籍だと思います。

根本的問題は、不明瞭であり対処に費用がかかりすぎたりして、立ち向かうのが困難である。そこで人は問題を、前向きかつ簡単で非常に効率的に見える別の解決方法に「すり替え」てしまう。

残念ながら安易な解決方法によって改善されるのは症状だけで、その根底にある問題は手つかずのまま残される。症状が消えると、システムは根本的な問題の解決能力を失う為、問題はますます悪化する。

経営原則

対処療法的な解決法には短期的な利益を生むだけのことが多い。長期的には同じ問題が再浮上し、対処療法的対策への圧力はさらに高まる。同時に根本的解決能力が衰えてしまう危険性がある。

典型的パターン

問題のすり替え構造は、私生活において組織においてもよく目にする。強く注意を喚起するような明白な「症状」と、こういった症状を少なくとも一定期間消すことのできる手軽で簡単な「応急処置」が併存するとき、この構造が機能する。

仕事と家庭と地域社会活動を何とか両立しようと仮定すると、根本的解決策は優先順位をつけ選択をし、仕事の量を制限することが大事であるが、人は代わりに、もっとうまくすべてを両立したいという誘惑にかられ、酒や麻薬、あるいはもっと罪のない「解決策(運動や瞑想やヨガ)」でストレスを発散させる。

お酒は過剰労働の問題を本当に解決してはくれない。一時的にストレスを発散させることにより、問題を隠蔽するだけである。問題は再浮上し、またお酒を飲む必要が出てくる。

こうしたすり替え構造は、どこかで阻止しなければ、現代社会につきものの様々な力を気付かぬうちに生じさせる。これは逃避の構造であり、結果として依存症や中毒にかかってしまうことが多い。

解決策を先延ばす企業

問題のすり替え構造は多くの「解決策」の陰にひそんでいる。応急処置に関する内容は、即座に症状を解決するが、一時的なものにすぎない。一方根本的解決策は、効果が現れるには時間がかかるのであるが、ずっと効果的に作用する。問題のすり替え構造には、多くの場合、対処法的解決策の「副作用」として生じる依存症の拡張(増大)プロセスが見られる。

たとえば企業における問題のすり替えは、幹部による部下の権限移譲が出来ず、自分の能力に頼り過ぎるあまり、少しでも問題の起こる気配がすると仕切り出し、結局部下は仕事をこなすのに必要な経験を得られない。

外国企業に市場シェアを奪われつつある企業は関税による保護を求め、結局、保護なしには立ち行かなくなってしまうのである。

すり替え構造という病

問題のすり替え構造は、よかれと思ってとった「解決策」が実際には長期的に見て問題を悪化させるようなさまざまな行動が説明できることである。

対処療法的解決策はたしかに魅力的であり、目に見える改善がある。しかし症状を緩和することにより、より根本的な解決策を見つける必要性も薄れたように見えてしまう。時が経つにつれ、対処療法的解決策への依存率はますます高くなり、次第にこれが唯一の解決策となってゆく。

意識的な決断を行う者がいないことになる。企業において戦略的方向性がぐらついたり、競争力が弱くなったりするとき、問題のすり替え構造がその根底にある場合が多い。

改革が必要な事業なのに、既存の改善ばかりでリスクを取らない等は、すり替え構造の典型的な病である。

例えば、新製品開発よりも広告への依存度が高い企業もこの事例に当てはまる。数多くある製品のいずれかの売上が低迷すると、新たな広告キャンペーンを展開するケースもこの事例のうちのひとつだ。

マーケティングばかりのトップのもとでは、新製品の投入ペースよりも、広告への露出の方が多くなり、依存率も向上する傾向にある。

目標のなし崩しという病

問題すり替えの特別な例としてあげられ、頻繁に見られるための注意を要するのが「目標のなし崩し」である。

目標と現状に格差のあるところには、必ず二つのプレッシャーが存在する。一つは状況の改善を求めるもの、もう一つは目標を下げさせようとするものだ。

この目標のなし崩しという病は、品質目標、改革目標、個々の社員の成長目標、及び組織改善目標といった企業のいろいろな目標について見られる。だれでも目標を下げることに対して「依存症」になりえる。

レバレッジとは成長への思考とは何か

問題のすり替え構造にうまく対処するには、根本的な問題への反応の強化と症状に対する反応の緩和の組み合わせが必要となる。

組織の特質は、問題のすり替え構造に取り組む能力があるかどうかである。根本的な問題への反応を強化するためには、長期的方向付けとビジョンの共有が必要となる。

一方、症状に対する反応を弱めるためには、一時しのぎや「見栄えの良い」解決策について真実を語ろうとする意欲が必要とされる。

企業の管理職であれば、大量の広告が競合他社の市場シェアを「盗む」ことはあっても、市場を大きく拡大することは決してないということを認識することが重要だ。

問題のすり替え構造を見抜く3つのヒント

問題のすり替え構造の存在を見抜くためには三つのヒントがある。

①  長期に渡り徐々に悪化する問題があること
②  システム全体の健全性が徐々に蝕まれる
③  無力感が徐々に増大する

上記にある典型的なパターンは、この問題は一時的に改善されたように見えることがあり、最初は「解決した」と錯覚が起き、幸福感に酔いしれるが、最後はまるで被害者のように感じる。

ポイントは、本当の意味で重要な深く根付いた問題に対して、効果的な対策がまったくとられていないと感じさせる依存状況を探してみる事だ。

四つの視点から症状を特定する

① 問題の症状の特定

車輪のきしみのように注意を引くもので、ストレスや、部下の緊急問題解決能力の欠如、市場シェアの低下などがあげられる。

② 根本的解決策を特定

持続的な改善を導き出すと思われる行動を特定してみよう。

③ 対処療法的解決策の特定

一時的に症状を緩和する一つまたは複数の策を特定してみよう。

④ 負の方向の副作用を特定

対処療法の結果生じる可能性のある負の方向の副作用を特定してみよう。

まとめ

問題のすり替え構造における主要な洞察結果は

① 異なる解決方法を識別すること
② 対処療法的解決策への依存がさらなる依存を強調する様子を把握する

ことの二点が挙げられる。成長限界の場合と同様、得た結論をちょっとした行動で試し、成果が出るまで時間をおくのが一番だ。とくに、衰えた能力の回復強化には長期間を要するだろう。

参照文献 組織とは、チームとは、学習していく組織とは、と問いを立てながら読んだ。とても良い書籍でした。

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