【予想通りに不合理】需要と供給の誤謬:なぜ真珠の値段はそしてあらゆるものの値段は定まっていないのか

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黒真珠:高級品までのプロセス

真珠王サルバドール・アセールは、黒真珠を高級品に位置づけることで「真珠王」と呼ばれるようになった。

● 価格を吊り上げる「アンカリング効果」

アンカリング】 個人の通常の意思決定においては、特定の情報や値に過度に注目し、その後状況における他の要素を考慮して調整する。一般にこのような意思決定には、最初に注目した値についてのバイアスが存在する。

①  旧友である伝説の宝石商ハリー・ウインストンに、ニューヨーク五番街の店舗のショーウインドウに黒真珠を飾らせ、法外に高い値札をつけさせることを承知させた。

②  豪華なグラビア雑誌に全面広告を出した。タヒチ産の黒真珠のネックレスが、ダイヤモンドとルビーとエメラルドをあしらったブローチと一緒に堂々と光り輝いている写真を出した。

③  あっという間に、ニューヨークでも指折りの裕福なセレブたちの人気になった。アセールは価値のはっきりしなかったものをとんでもない高級品に変えた。

人は刷りこみの影響力は受けるのか

● 価格を定着させる「刷り込み効果」

Konrad Lorenz – Imprinting

 

刷り込み
後天的にものを覚える、学習が成立するためには、動物では、繰り返しと一定の時間の持続が必要であると考えられていた。この例ではほんの一瞬でその記憶が成立している。それがその後にも引き続いて長時間にわたって持ち越される。ローレンツはこの現象が、まるで雛の頭の中に一瞬の出来事が印刷されたかのようだとして、「刷り込み」と名付けた。通常は、親が卵を温め、声をかけるから、このような仕組みでも失敗は生じないはずである。

ガンにあてはまることは人間にあてはまることがわかった。アセールによる価格設定のアンカリングは、滑り出しから黒真珠を世界最高級の宝石として「アンカリング」した。おかげでこの価格帯は、黒真珠を購入する上で、アンカリングされることになる。ではこの価格がいつまで影響力を持っているのであろうか。

● アンカリングの影響は大きい

私たちは最初の価格を自分のなかでアンカリングしてしまいがちであるが、最初に遭遇したアンカーが長い間多くの決断に影響を与え続けるだろうか。

What if Starbucks Marketed Like a Church? A Parable.

 

最初の良いイメージでの刷り込みのあと、もしスターバックスほどの企業がこのように教会で行われている販売方法であれば、今のアンカーを捨てて、別のアンカーに乗りかえる機会を得たら、乗りかえることも視野に入れるだろう。
だが、最初の決断がその後の決断までのちのちまで影響を与えることは明らかであり、第一印象は非常に重要だ。

相場が変動するガソリン価格や不動産の価格も、最初に偶然にも遭遇し、判断に影響を与えたアンカーは最初の決断のずっとあとまで離れずに残っていると考えるのが自然であり、その当時の自分のアンカーから比べて現在の決断に影響が出ないとは言い切れない。

yd_coffee1普段コーヒーショップを利用している人に聞いたところ、10代の71.4%が「スターバックスコーヒー」と回答したのに対し、50代では23.2%。年齢が上がるほど「スターバックス」派が減少し、逆に「ドトール」派が増えていることが、調査で分かった。 また、コーヒーチェーン店を利用したことがある人に聞いたところ「スターバックスコーヒー」(31.7%)と答えた人が最も多いことが、調査で分かった。次いで「ドトールコーヒーショップ」(16.2%)、「コメダ珈琲店」(4.8%)、「タリーズコーヒー」(4.7%)と続いた。

参照記事  【年代によって違う、好きなコーヒーショップ
参照記事  【最も好きなコーヒーチェーン店はどこ?

スターバックスは、従来の企業とはかけ離れた経験をさせることによって、若年層を中心に国内でのアンカリングは成功しているようだ (ただしデータに偏りが無ければ)

● マイナスをプラスに変えたアンカー

トムはポリーおばさんから学校が終わったら塀のペンキ塗りをするよう命じられてしまいました。トムは嫌々ながらもペンキ塗りを始めますが、塀はたいそう長く、とても今日中に終わりそうにありません。

そこでいかにもペンキ塗りを楽しそうにする事で、通りかかる友人たちは次々とペンキ塗りをやりたがるようになり、トムは簡単には友人たちにペンキ塗りをやらせなかった為、友人たちはペンキ塗りをさせてもらうお礼として次々にビー玉やリンゴをトムにあげてペンキ塗りをさせてもらいます。

塀は一日で見事に塗り終わり、トムは友人たちからたくさんの物をもらって、ポリーおばさんからペンキを塗り終えた事を誉められるのでした。

トムの立場と言うよりも、友人の立場で考えると非常にまずい決断かもしれないのに、最初の決断が賢明だと思い込んで、それを基盤に人生を築いているのでろうか。

そんな風にして、職業や結婚相手をアラブものなのか。そもそも最初の決断は賢明だったのか。偶然にも遭遇した第一印象のままに選んでしまった結果なのかもう一度考える必要があると考えます。

まずは不合理な行動から改善を行うことはできる。みずからの弱点から自覚することからはじめることを進めている。
自分が繰り返し行動していることに疑問を持つように訓練することが重要である。また、長い間同じ結果(習慣やローンなど) に行きつく最初の決断は特別な注意が必要である。

自分の人生における刷り込みやアンカーをよくよく検討し、昔の選択を考え直し、新しい決断に新しい一日のチャンスに気持ちを向けてもらいたい。

需要におけるアンカリング効果

政府がある日、税や映像のような外部環境などでガソリン価格を倍増させる決めた場合、同じ基本原則があてはまる。

昭和48年 石油ショック

オイルショック:日本への影響

1973年(昭和48年)11月16日、石油緊急対策要綱を閣議決定、「総需要抑制策」が採られる。結果、日本の消費は低迷し、大型公共事業が凍結・縮小された。日本の消費者物価指数で1974年(昭和49年)は23%上昇し、「狂乱物価」という造語まで生まれた。インフレーション抑制のために公定歩合の引き上げが行われ、企業の設備投資などを抑制する政策がとられた。結果、1974年(昭和49年)は-1.2%という戦後初めてのマイナス成長を経験し、高度経済成長がここに終焉を迎えた。

値段の変化に対してわたしたちが示す感応度は、真の選好や需要の度合いの反映などではなく、過去に支払った金額の記憶と、過去の決断との一貫性を維持したい願望によるところが大きい。

最初は、新しい価格に面を喰らって、節約したりするだろうが、アンカーが再順応してしまえば、新しい値段が税等が導入される以前のレベルに近づいてしまう。

今回も政府は、不況からの脱出を条件に新たなアンカー(未来の消費税率)を決めたばかりである。

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参照記事 【軽減税率「消費税率10%時に導入目指す」自公合意

自民、公明両党は23日夜、与党税制協議会を開き、2013年度税制改正の大枠を決めた。焦点だった軽減税率に関しては「(15年10月の)消費税率の10%引き上げ時に軽減税率制度を導入することを目指す」との表現で決着。公明党が求めていた14年4月の消費税8%引き上げ時の導入は見送りとなった。