【バブルの歴史】神風資本主義_熱狂と崩壊 遅れた者は悪魔の餌食 群衆に観られる 5つの視点

[`buzzurl` not found]
Pocket

 

【資本主義のカーニバル】

投機の熱狂とはカーニバルそのものを引き継いだものだ。

カーニバルも投機熱も「上下をひっくりかえした世界」をつくり出す。カーニバルは、硬直的だった支配体系の中で、ほんの一時期、羽目を外せる場でもある。 社会の秩序がひっくりかえって、極端な話田舎の愚か者でもカーニバル王になることがある。投機熱は職業倫理、誠実、倹約、勤勉などの資本主義のお説教を逆転させるものである。

スポンサーリンク

投機の熱狂もときおり起こり、やはり現実離れしたものだ。それが終わった後、投機に踊った人達は非現実的で夢のなかの出来事ようだったと回想する。

カーニバルの乱痴気騒ぎの側面は、投機家のこれ見よがしの消費と馬鹿騒ぎに受け継がれている。カーニバルも投機の熱狂も、おなじような終わり方をする。 カーニバルの終わりには、カーニバル王の人形を燃やす象徴的な行事があって、秩序が回復される。

25698965632010

 

投機の熱狂が終わると、1720年のミシシッピ会社のジョン・ローから1990年のジャンク債の帝王、マイケル・ミルケン、野村証券・大和証券・コスモ・山一証券の各社長たち、投機家の尾上縫・小谷光浩・沢田正彦・森下安道など 投機家を代表する人物が世間の晒し者になり、資産を奪われ、刑務所などに送られたりする。カーニバル王と同様に、社会の罪を象徴する生贄にされ、社会が正常になる儀式に捧げられる。

投機の精神は、権威の否定、宗教の否定、上下関係の否定である。自由を求め、もったいぶった通説を嫌い、制限を嫌悪する。 17世紀にチューリップを取引した居酒屋から、二十世紀後半のインターネット投資クラブ、そして現在まで、投機は経済活動のなかでとくに通俗的で大衆的なものとして登場してくる。

投機の本質は、自由と平等のユートピアを切望する叫びである。現在の経済制度を支える物質主義が冷たく、面白みに欠ける点、そして富の不平等をもたらさざるをえない点を補う役割を果たしている。

投機の熱狂はどのような形態をとる場合でもつねに、資本主義のカーニバル、愚か者の祭りであり、この点は現在に至るまで変わっていない。

【日本型制度の危機:歴史から見るバブルの共通点】

日本のバブル経済では、それまでに投機熱にみられた大きな特徴がいくつも再現されているという。

2548788545210

 

① 美術品市場とゴルフ会員権市場の過熱

1630年代チューリップ狂を彷彿させる。第一次金融革命が1690年代の投機熱を生み出したように、1980年代のバブル経済も、ブレトン・ウッズ体制の崩壊の後に起こった現在の金融革命を一因としている。

チューリップ・バブル

ネーデルラント連邦共和国(オランダ)で1637年に起こった世界最初のバブル経済事件である。オスマン帝国から輸入されたチューリップの球根に人気が集中し、異常な高値がついた。その後、価格は100分の1以下にまで下がり、オランダ諸都市は混乱に陥った。バブルをもたらした原因が何であるのか、いまもって明らかにされていない。後述するような民衆の狂気と貪欲さに求める偶発説や、このような価格の乱高下は日常的であったとする説などがある。オランダは当時、経済大国であったが、バブルの担い手となった民衆は貧しい暮らしにあえいでいた。

② 日本企業が発行したワラント債と転換社債

25698999656320株式に転換する権利が付随しており、1720年代の年金型国債の南海会社株への転換に酷似している。

どちらの場合にも、株価が上昇すれば権利の価値(南海会社の場合には国債を株式に転換する権利の価値、ワラント債の場合には新株引受権の価値)が上昇し、その結果、さらに株価が上昇するという循環である。

南海泡沫事件

1720年春から秋にかけてイギリスで起こった常軌を逸した投機ブームによる株価の急騰と暴落、およびそれに続く大混乱を指す。後にイギリスの初代首相と見なされる政治家ロバート・ウォルポールがこの混乱を収拾、政治家として名をあげる契機となった。バブル経済の語源になった事件である。

③ 奇跡の癌治療薬、鶏の胆汁から抽出したエイズ治療薬

このような流行のテーマに基づく投機には、南海会社時代のもっとも馬鹿げた「泡沫会社」を想起させるものがある。

泡沫会社禁止法

株式ブームの波に乗って,多数の泡沫会社が設立され,譲渡自由な株式が大量に発行された。イギリス議会は泡沫会社禁止法(Bubble Act,1720)を制定して,国王の特許状または議会の承認を得ていない会社が株式を発行することを禁止した。これによって多数の不法会社が消滅し,パリにおけるブームの崩壊と相まって,投機熱は急激に冷え込み,南海会社の株も20年末には120ポンドに暴落した。

④ 国内銀行に株式含み益を自己資本に算入

信用の創造を株価に結びつけたのは、1720年にジョン・ローのミシシッピ・システムを崩壊に導いた間違いを繰り返すものである。 規則が不十分な東京証券取引所での相場操縦と不正は、金メッキ時代と1920年代のアメリカによく見られた種類の投機を促すものになった。

2546899665320ミシシッピ計画

18世紀初頭に北アメリカに植民地を有していたフランスが立てたミシシッピ川周辺における開発・貿易計画。ミシシッピ会社とも言う。フランスで立てられたこの計画は、開発バブルを引き起こし、会社の業績が極端に悪いのに発行価格の40倍にまで株価が暴騰する事態を招いた。ジョン・ローは、ルイジアナの富を巧みなマーケティング戦略を用いて宣伝した。その結果1719年にインド会社株に対しての熱狂的な投機買いが起こり、株価は500リーブルから1万5千リーブルまで高騰した。しかし、1720年の夏にかけて急激な信用不安が起こったため、1721年には再び500リーブルまで下落した。同年摂政フィリップ2世はジョン・ローを解任し、ローはフランス国外へ逃亡した。

金メッキ時代

金ぴか時代は、1865年の南北戦争終結から1873年に始まった大不況中の1893年のパニックまでの28年間をさし、アメリカ資本主義が急速に発展をとげた時代のこと。1869年、オマハとサクラメントを結ぶ最初の大陸横断鉄道が開通し、ヨーロッパからさらに多数の移民をひきつけた。急速な成長の下、鉄鋼王カーネギー、石油王ロックフェラー、鉱山王グッゲンハイムなど名立たる富豪が輩出した。政治は腐敗し、国家の庇護を受けた資本家はさらに富を蓄え、下層の人々は貧困に喘いだ。金ぴか時代とは、浮付いた好況と拝金主義を皮肉り、経済の急成長と共に現れた政治経済の腐敗や不正を批判してトウェインが命名した時代名称である。

⑤ 国内企業が海外で進めた派手で急激な買収(M&A)

アメリカがイギリスを追い抜いて世界一の工業国になったころ、1901年のブームの時期にアメリカが進めた海外資産の買収によく似ている。 いずれの場合も、傲慢なナショナリズムが投機の背景になっている。バブルが破裂した後、金融業界の不祥事、資産デフレ、銀行危機、不況の長期化が起こったが、これに似た状況は大恐慌の時代のアメリカに起こっている。

1901年恐慌

1901年恐慌とは、1901年にアメリカ合衆国のニューヨーク証券取引所で発生したノーザン・パシフィック鉄道の買収事件をきっかけに生じた恐慌である。当時のアメリカの株式市場では、鉄道会社の株が大きな位置を占めていた。カルテル、トラストが横行していた。例えば、一つの地域の鉄道ネットワークがすべて同じ鉄道会社で運営されるようになると、競争がないために運賃は高く、利便性は低く抑えられ、資本家のみが潤うような構図ができあがっていた。

【日本のバブルの教訓】

2569899656320バブル経済が示した教訓のなかで、なにもまして重要な点は、市場リスクを政府が負ってくれるので安心だと投資家が信じるようになったときに、いかに危険な状態になるかだろう。

経済学者はこの危険を、火災保険に入っているから安心だとして火災防止を怠るようになるなど、保険によってむしろリスクが高まることを本来意味する道徳的危険(モラル・ハザード)という言葉で表現している。

このモラルハザードの問題は、金融市場では新しいものではない。 日本当局は割高な株式相場を支えようとしたが、古くは1720年にも、英国の株主は政府が南海会社を支援しているので、損をするはずがないと信じていた。

投機的な市場で「大きすぎて潰せない」という議論が出てくれば、危機が間近に迫っていることを示す兆しとして、かなり信頼性が高いといえるだろう。 日本の経済制度は、合意を重視し、勝手気ままな個人主義の欧米型資本主義とは違う理想を掲げていた。

古い秩序である、産業政策、行政指導、政治主導のカルテル、株式持ち合い、系列、終身雇用、年功序列、高貯蓄率、市場シェアを重視する長期志向など、しだいに疑問とされるようになったのも、この時期である。 投機家は、このバブルで規則の秩序を嫌う本性を発揮し、無数の制約のある日本型制度を破壊し、無秩序状態を創り出していった。

その後続く長い不況の元凶を生み出したのもこの時期であり、私たちはバブルの期間以上のツケを払うことになった。

日本経済は、官僚がかなりの程度まで管理していたが、投機熱の伝染力はすさまじく、日本のような厳しく管理された経済でも、投機熱に冒されることを歴史的に示したのだ。

私たちのできることは、あらゆる場面で冷静に見つめる視点、いわば現在の若者に見る消費をしなさすぎるぐらいの(ただ安く良いモノは消費する)ホントに普通過ぎる感覚をいかに保つかが重要な教訓である。

スポンサーリンク

参照記事/画像 【JAPAN PEAKS UNDER NAKASONE THEN THE BUBBLE ECONOMY AND COLLAPSE】 
参照記事/画像 【From ‘Flourish’ to ‘Incognito,’ the 11 Best Psychology Books of 2011】 
参照記事/画像 【The Way It Was】 
参照記事/画像 【Meltdown: The Secret History Of The Global Financial Collapse [Movie]】 
参照記事/画像 【Israeli Indecision 2013 — Ultra-ultra hardliners vs ultra-hardliners】
参照画像説明  【資本主義国のヒエラルキー