【影響力の武器を武器にする】 第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼

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コミットメントと一貫性:心に住む小鬼

● ほとんどの人は、自分の言葉、信念、態度、行為を一貫したものにしたい。あるいは、他人にそう見られたいという欲求がある。この欲求は三つの要素によってもたらされる。

第一に、一貫性を保つことによって、社会から高い評価を受ける。 第二に、公的なイメージに及ぼす影響は別にしても、一貫性のある行為は、一般的に日常生活にとって有益である。 第三に、一貫性を志向することで、複雑な現代生活を上手くすり抜ける貴重な簡便方略が得られる。

foot-in-the-doorすなわち以前の決定と一貫性を保つことで、類似した状況に将来直面したときに、関連するすべての情報を処理する必要が少なくなり、以前の決定を思い出して、それに一貫するように反応しさえすれば良いことになる。

コミットメント(関与)の一貫性/一貫性の原理

「つじつまの合う自分でいたい」という人間心理。日常的な場面では「せっかく名前や住所を書いて入会無料で作った会員カードなのだから、使ってみよう」と考えること。宗教の導入部分では「ここまで時間をかけて話を聞いてしまったのだから、試しにやってみよう」と思うこと。マインドコントロールの最終的な局面では、「ここまで、この教えで歩んで来たのだから、○○に参加しよう」「全身全霊をかけて信仰すると誓ったから、全財産を献金して献身生活に入ろう」など、「何のために今まで…」という考えかたにあらわれる。

● 承諾誘導の鍵となるのは、最初のコミットメントを確保することである。コミットメントをしてしまうと、人はそのコミットメントに合致した要請に同意しやすくなる。

したがって、多くの承諾誘導の専門家は、後で要請しようとしている行動と一貫するような立場を最初に取らせるように誘導するのである。すべてのコミットメントが、後でそれと一貫した行動を同じように効果的に引き出せる訳ではない。

最も効果的なコミットメントは、行動を含み、公にされ、努力を要し、自分がそうしたかったのだ(強制されたのではない)とみなされるものが効果的だとされる。

一貫性を過度に守り過ぎると陥る罠

● コミットメントを伴う決定は、それが間違っているときでさえ、「自分を支える脚を作る」ことができるので、人はその決定に固執するようになる。 つまり多くの場合、人は自分が下したコミットメントについて、それが正しいということを示す新しい理由は正当化を付け加えるのである。

【成功神話と現実の意思決定】自信過剰・予言・うぬぼれ・神話の罠に陥らない為の3つの視点と5つの要因でも述べたが、その場合自信過剰に陥りやすく、すでに信じている情報の確証となる情報のみを求め、矛盾する証拠を探そうとはしない傾向に走ることになる。

またその結果、コミットメントを生み出した状況が変化したずっと後でも、そのコミットメントの効力が持続することになる。このような現象によって、「ローボール・テクニック」のような、人をだます承諾誘導のテクニックがなぜ効果を発揮するかを説明するができる。

【ローボール・テクニック】

相手が認めやすい提案をして、それに承諾したら次々とオプションを要求していく方法である。人間は自分が決めたことには責任をとらなければいけないと考える傾向が強い。それが最初に提示された条件に予想外の変更が加えられたとしてもそう考える。こうした心理を応用したのが、「ロー・ボール・テクニック」である。球をまず捕らせてしまえば、次の要求も受け入れざるを得ないという意味である。

カラダのサインに気づくこと

● 承諾の決定に対して一貫性への圧力が過度に影響することを認識し、それに抵抗するには、身体の中の二つの部位、胃と心の奥底から送られる合図に耳を澄まさなくてはならない。胃からのサインは、コミットメントと一貫性圧力によって、やりたくないと思っている要請に同意させられそうになっていると気づいたときに現れる。

そのような状況では、要請者がしているような承諾誘導は馬鹿げた一貫性を作り上げるもので、自分はそれに関わりたくないということを要請者自身に対して説明するのが一番よい。

心の奥底のサインの場合は、これとは違う。

最初のコミットメントが間違っているかどうか明確でないときに、最も効果的に用いることができる。その場合「今知っていることはそのままにして時間を遡ることができたら、同じコミットメントをするだろうか」という厄介な質問を自分自身に問いかけなくてはならない。

そのとき、役に立つ答えをもたらしてくれるのは、最初に湧き上がってきた感情である。

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