【影響力の武器を武器にする】 第8章 手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾

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手っとり早い影響力―自動化された時代の原始的な承諾

● 現在の生活は、過去のいかなる時代とも異なっている。科学技術の驚くべき発展によって、情報が溢れ、選択の幅が拡大し、知識が爆発的な勢いで増加している。

このような変化と選択の洪水に対して、自分自身を調整する必要が生じてきた。基本的な調整の一つは、決定のやり方に表れている。 どのような状況においても、私たちはできるだけ思慮深く、十分に検討を加えた上で決定を下すことを望んでいるが、現代生活の形態が変化し、ペースが加速度的に速まってきたことで、賛成と反対の立場を注意深く分析するのに適した条件が整わない事が多い。

そして、別の意思決定のやり方に訴えざるえないことが次第に多くなってきている。 通常は信頼性の高い単一の情報を基礎にして承諾(すなわち、同意したり、信じたり、何かを買うこと)するか否かの決定を行う、という方法である。

影響力の武器では、最も信頼性の高い、それゆえ最もよく使われる承諾誘導の引き金について述べてきた。コミットメント、お返しの機会、類似した他者の承諾反応、好意あるいは友愛の感情、権威からの命令、希少性に関する情報である。

意識の隙間に入り込む影響力

● 私たち社会では認知の過剰負荷の傾向が強まってきているので、それに比例して簡便な意思決定を行うことが多くなってきている。承諾誘導のプロは、相手の影響力を与える引き金をいくつか要請のなかに忍ばせておくことによって、成功する可能性を高めている。

CBSステルスマーケティング特集 字幕ver0.1

ステルスマーケティング】 ステルスマーケティングとは、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること。 ステルスマーケティングの手法としては

  1. 自社に関する飲食店の口コミサイトで、否定的な意見を削除して良い意見だけを残す事により、良いイメージを与えるようにする。
  2. あたかも客観的な記事を装った広告や、影響力のあるブロガーが報酬を得ていることを明示せずに、第三者的な立場を偽装して、特定の企業や製品について高い評価を行うこと等があげられる 。

実践家がこのような引き金を使うこと自体は、必ずしも搾取的なことは言えない。引き金がその状況のなかにもともとある自然なものでなく、実践家が埋造する場合が問題になるのである。

社会的影響力がありながら中身を精査していない企業

企業営利を考える上で、商品の品質は非常に重要である。新しいビジネスモデルで登場する企業のなかには、そのモデルの成長力ゆえ、さまざまな歪を抱えながら、前に進むことになる。最近ではソーシャルコマース分野の成長が著しいが、以下のような問題が噴出し、少し前に大きな問題となった。

「バードカフェの残飯おせち」でグルーポン社のメイソンCEOが謝罪

グルーポン・ジャパン:見本と異なるおせち料理

横浜市の企業「外食文化研究所」がグルーポン・ジャパンを通して販売した2010年末のおせち料理の宅配(500セット)において、品質のヒドさ(傷んでいる、内容が広告写真と違いすぎる)に多数の苦情が発生した(所謂「スカスカお節」)。翌2011年1月5日に謝罪を発表。購入者に対して販売金額の1万500円を返すことと、5,000円相当のお詫び品を送ることを決定した。

この件について2011年1月6日までに横浜市や神奈川県農林水産省が、製造元の外食文化研究所に、衛生面での懸念から立ち入り検査を実行した。2011年1月8日には消費者庁が、外食文化研究所の事情聴取を行うことを決定。同庁は、グルーポン・外食文化研究所のおせち販売が景品表示法違反に該当するものだったかどうか検討する。

オークション詐欺 : 変容していく影響力を利用したマーケティング

オークション詐欺】 オークション詐欺とは、オークションにおける出品や落札後の商品受け渡し等の過程にて行われる詐欺インターネットオークションに関しての詐欺行為を指して使われる事が多い。なお、ネットオークションでは取引実績の履歴も公開されるため、自作自演で自己評価を吊り上げた事例は少なくない。

詐欺被害者の補償制度を導入するオークションサイトがほとんどであるが、被害特定から補償までの手続きが煩雑であったり、あるいは被害認定が受けられない場合もあり、依然として自己防衛が必須である。被害にあった場合には、いち早い警察への通報や消費者センターへの相談が勧められる。

サイバー犯罪等に関する相談状況21444774100120

平成23年中に警察の相談窓口で受理したサイバー犯罪等に関する相談件数は80,273件(前年比+4,463件+5.9%)。ネットオークションに関する相談は5,905件(-1,000件、-14.5%)で、平成17年をピークに減少傾向。

インターネット・オークションに関する相談

○ コンサートチケットを落札し、代金を振り込んだが商品が送られてこず、出品者とも連絡が取れなくなった。 ○ システム手帳を出品し落札されたので、相手方に送ったが、落札代金を振り込んで貰えない。 ○ 電化製品を落札したが、配送された電化製品が故障しており、相手方に対応を求めたが何もしてくれない。

出典平成23年中のサイバー犯罪の検挙状況等について

関連記事 】 ネットオークションの「委託詐欺」にご注意 オークション6つの注意点 オークション詐欺の基礎知識 オークション詐欺の“サイン”とは

オークションに関する詐欺事件は、年々減少傾向がある。一時社会問題化したのが功を奏したかもしれないし、運営者側や警察などの一連の施策が功を奏した影響もある。ただこうした動きに対して、以下のより巧妙な手法を使うことが最近は横行し、氷山の一角のみが取り締まられた感がある。

オークション運営者側 ( 代行屋 ) などでは、サクラIDで巧妙に値段を吊り上げる業者も散見され、顔の見えないことを利用し、巧みに利益を上げる業者も散見される。

Don’t Waste Your Money – Penny auction scams

ペニーオークション 入札手数料オークションは、毎回の入札毎に手数料が必要になる形式のインターネットオークションである。表示上の開始価格や落札価格は通常のオークションに比べると低額であるが、入札時の手数料が高額になることが多い。

ワールドオークションによる詐欺事件

ボットによる自動入札によって参加者が落札できないようにし手数料をだまし取ったとして詐欺容疑で初の逮捕者が出た。この影響で、これらのオークションサイトで商品を落札したとの内容を自身のブログに投稿していた件(いわゆるステルスマーケティング)について京都府警から事情聴取を受けたほしのあきや、ピース綾部祐二熊田曜子が虚偽の記述を書き込んだことを謝罪した(ほしのと熊田に関しては、松金ようこから依頼があったとされ、松金も京都府警に出向いて事情を説明している)。永井大東原亜希菜々緒小森純らも同様の書き込みがあったとして謝罪しており、同様の書き込みをしていた芸能人は20人以上に及ぶともされる。「ワールドオークション」のサイトも閉鎖された。

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影響力を絶対に受けない方法はないが事前に知り、そこに原理があり、敵か味方を理解すること

影響力の武器では、承諾誘導の実践家が、偽の信号を発して私たちの簡便反応を引き出そうとするなら、話は別であると伝えている。あるブランドの歯磨きが人気があるというイメージを意図的に作り上げるような広告主がやるとすれば、この広告主たちは私たちの敵であるとし、俳優が一般市民のふりをして製品を誉めるというようにして「自然なインタビュー」をやらせで撮って一連のCMを作る場合なども例としてあげている。

このような一連の行為は、社会的証明の原理、その証拠に対する私たちの簡便反応、これらすべてが利用されていることになる。私たちが簡便反応によってもたらされる利益を失わずにいるには、あらゆる適切な手段を使って、そのようなインチキに対抗することが重要である。

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