【 世界史を変えた 17 の化学物質 】 スパイス、爆薬、医薬品 ~ 巨万の富を得たその商売人のセレンディピティ

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世界史を変えた17の化学物質

今回は、アルフレッド・ノーベルが、巨万の富を得る為におこなった選択と意思決定を調べていた際に、出会った書籍である。歴史を変えた化学物質がいかにして生まれ、それに関わった人々の事業の進め方などを知ることができるだろう。

  1.  胡椒、ナツメグ、クローブ――大航海時代を開いた分子
  2.  アスコルビン酸――オーストラリアがポルトガル語にならなかったわけ
  3.  グルコース――アメリカ奴隷制を生んだ甘い味
  4.  セルロース――産業革命を起こした綿繊維
  5.  ニトロ化合物――国を破壊し山を動かす爆薬
  6.  シルクとナイロン――無上の交易品とその合成代用品
  7.  フェノール――医療現場の革命とプラスチックの時代
  8.  イソプレン――社会を根底から変えた奇妙な物質
  9.  染料――近代化学工業を生んだ華やかな分子
  10.  医学の革命――アスピリン、サルファ剤、ペニシリン
  11.  避妊薬――女性の社会進出を後押しした錠剤
  12.  魔術の分子――幻想と悲劇を生んだ天然毒
  13.  モルヒネ、ニコチン、カフェイン――阿片戦争と三つの快楽分子
  14.  オレイン酸――黄金の液体は西欧文明の神話的日常品
  15.  塩――社会の仕組みを形作った人類の必須サプリメント
  16.  有機塩素化合物――便利と快適を求めた代償
  17.  マラリアvs.人類――キニーネ、DDT、変異ヘモグロビン

小さな分子が社会を変えた。砂糖、綿、抗菌剤、ゴム、ニコチン、PCB…身近な物質の化学的な働きが、東西交易や植民地支配、産業革命、公衆衛生、戦争と平和、法律など人類の発展に与えた影響を、豊富なエピソードと共に分りやすく解説。

文明の発達を理解するための独創的なアプローチにして、化学構造式の読み方も身につくユニークな世界史。

詳しい内容を知りたい方は 【 スパイス、爆薬、医薬品 – 世界史を変えた17の化学物質   】を参照されたし。

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アルフレッド・ノーベル その人

【 アルフレッド・ノーベル 】

ダイナマイトの発明で知られるスウェーデンの化学者、発明家、実業家。ボフォース社を単なる鉄工所から兵器メーカーへと発展させた。350もの特許を取得し、中でもダイナマイトが最も有名である。

ダイナマイトの開発で巨万の富を築いたことから、「ダイナマイト王」とも呼ばれた。遺産をノーベル賞創設に使った。

財産の大部分をあてて国籍の差別なく毎年授与するノーベル賞を創設するとした遺言状に署名した。税と個人への遺産分を除いた全財産の94%、3122万5千スウェーデン・クローナを5部門のノーベル賞創設に割り当てている。

これは当時の為替レートで168万7837ポンドに相当する。莫大な遺産の相続をめぐって、兄弟やその子達が当然のようにトラブルを起こしたために指名された相続執行人は苦労した。

本人は1890年に起こした訴訟の経験から弁護士を信用しておらず、直筆で自分だけで遺言状を書いたために遺書の内容には矛盾点が多く、このことも相続執行人を悩ませた。

変人ガリレオの風体

ノーベルが軍需品製造者でありながら、平和主義者であるというのは、矛盾に満ちている。

ノーベルは人生そのものが矛盾している。

子供の頃は病弱で、大人になるまでは生きられないと思われていたが、両親や兄弟よりも長生きした。

ノーベルに関しては、恥ずかしがり屋で、社交性も無く、極端にして慎重、仕事はいつも追い立てられている感じで、ひどく疑い深く、孤独で、非常に情け深いという、互いにやや逆説的な言葉で書き残されている。

ノーベルは、真に恐ろしい兵器こそ抑止力として働く、すなわち世界に平和をもたらすと固く信じていた。

ダイナマイトの商業的成功 その セレンディピティ

【 セレンディピティ 】

何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。何かを発見したという「現象」ではなく、何かを発見をする「能力」を指す。平たく言えば、ふとした偶然をきっかけに閃きを得、幸運を掴み取る能力のことである。

優れた着眼点

ノーベルはニトログリセリンの破壊力を滅することなく、これを安定化する方法を探し始めた。爆薬を製造する工場や倉庫で事故が相次ぎ、多くの従業員や市民などに莫大な被害が相次いでいたからだ。

現在我々がダイナマイトと呼ぶ製品が、ノーベルの語ったような系統立った実験によって得られたものか、あるいは偶然の発見だったのか、その発見がセレンディピティだったとしても、珪藻土に着目したノーベルの着眼点の真骨頂と言えるだろう。

この書籍では、化学の発見による商業上の選択と意思決定が様々なカタチで書かれている。ノーベルにおける成功の礎は、珪藻土を選択することで、生まれたものだったといえるだろう。

巨万の富や長期的成功には不思議な幸運がある

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今回のダイナマイトの発明に関しても謎は多い。なぜ珪藻土を選択したのか、絶え間ない実験の成果か、荷造りの際、おがくずのかわりに時々使われたときにたまたま気が付いたのか、真相は分からない。

実験や挑戦においても、失敗だと思われていたものが、実は違うモノで成功する事例は数多く散見される。本来の目的ではないのだが、結果的に違う用途や使われ方で、大きく成長したり、需要を満たす製品や物質などに変わった例は枚挙に暇がない。

絶え間ない努力や日々の活動では、幸運を招き入れるための準備をしたものが、真の幸運を掴むと言われている。
これらの内容は、化学物質とも大きくつながっており、ノーベルに関しては、この事実を身を以て知った一人だろう。

だからこそ巨万の富のほぼ全額を、人類の優れた功績を残した人に賞金を贈れと遺言した。この決断もしくは英断こそ、ノーベルが人類に残した偉業といえるだろう。

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