【投資の心理学:脳科学とイノベーション】損失を出す前に覚えておきたい企業の3つのパターン と 注意を払うべき 3 つの意思決定のルール

[`buzzurl` not found]
Pocket

254555452120303

 

脳科学とイノベーション

今回は、脳科学のアプローチ ( 脳の発達の過程 ) とあらゆる業界に参入する新規企業の発生パターンの類似性と、機動的に投資を行うための最適な機会はどこかという3つのルールを取り上げたい。

さらに詳しい内容を知りたい方は 【 投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い 】を参照されたし。

スポンサーリンク

まさにそれが、目の前で起きていることだ。インターネットに関するあらゆる実験が進められている。多くが成功し、多くが失敗に終わるだろう。

ジェフ・ベゾス

脳の発達のメカニズム

生まれてから3歳までの間、幼児の頭の中ではものすごい数のシナプスが増え続ける。事実、歩けるようになったばかりの幼児は、およそ1000兆のシナプスを持っている。

やがて、こうした神経回路の増殖プロセスは、剪定のプロセスへと移行する。経験を通じて、役に立つシナプスは強化され、役に立たないものは剪定させてしまう。

少し大きくなると、子供は一日に約200億のシナプスを失っていく。特定の環境で脳が活動していくための微調整のプロセスに入る。つまり、成人になるまでにどのシナプスが残るかによって、我々の脳が形作られていく。

イノベーションの 3 つのダイナミクス

ジェームズ・アッターバックは、その著書「イノベーションダイナミクス」の中で、産業革命には 3 つの段階があると述べている。脳の発達と企業が設立され参入してくるパターンと非常に酷似している。

第一段階:拡がり

流動的な段階で、数多くの試みがなされる。シナプスのつながりがどんどん拡がっていくプロセスと似ている。

第二段階:淘汰

過渡的な段階で、淘汰が行われるなかで有力な製品だけが生き残っていく。この段階は、脳神経での剪定のプロセスと似ている。

第三段階:調整

調整の段階では、特定の製品と生産過程が少しずつ変わっていく。いわば成人の段階に入ったことになる。

これら3つの段階は、産業が未発達の段階では数多くの会社がいっせいに設立され、淘汰の段階ではそうした会社の多くがあっという間に消えていくという、はっきりとしたパターンを示している。

これらのプロセスは生産的でないように見えるが、最終的には、技術力と市場の選択との相互作用により、環境に最も適した製品のみが選ばれる。

創造的破壊:イノベーション企業 3 つのプロセス

リチャード・フォレスターとサラ・カプランは、共著「創造的破壊」の中で、新規参入企業のほうが古参の伝統的な企業よりも、高いトータルリターンを株主にもたらすことを示した。 しかしそのほとんどの企業も、時を経るごとにリターンも無くなっていく。

第一段階: リターンの喪失

イノベーションが起きた直後に競合他社が戦略を変更し、新興企業の真似をするため、イノベーションをつくり出した新興企業は資本コストを上回るリターンをあげることが難しくなり、成長軌道に乗れなくなること。

第二段階: リスクよりも安定を選ぶ

マーケットは、新興企業より社歴が長く安定している企業に対する投資家の期待をより正確に反映すること。

第三段階: 企業の固定化

企業がある程度の規模に成長し、成功を収め、組織的な業務体制を確立すると、イノベーションを行っていこうとする強みを失ってしまうことである。

また、フォレスターは「イノベーション_限界突破の経営戦略」の中で、イノベーションのプロセスについて明らかにした。

新興企業が既存企業に比べて際立った超過リターンをもたらすのは、もっぱら新規参入から 5 年であることを示し、続く 15 年間では、新興企業のトータルリターンは業界平均とほぼ同水準になる。

新規参入から 20 年が経過すると、新興企業の株式リターンは業界平均を下回ってしまうのである。

重要なのは、市場を上回る成果をあげる会社は、その業界における一時的なメンバーにすぎないということである。

投資家が考える 意思決定の 3 つの視点

企業の増殖と剪定のプロセスについて理解できたと思うが、ここで投資家にとって目の付け所とそのメリットを考えてみよう。

① イノベーションのプロセスが理論的に裏付けられていて、かつ実証もされていること。

バブルが進行していくプロセスを理解できるという点である。赤ちゃんの脳をマーケットとみなしてほしい。

ひとつひとつのシナプスは参入企業を意味する。脳が数多くのシナプスを作っているわけで、そのうちのいくつかはうまくいっている。

市場が活気づき、価格が導入され、バブルへの準備が整う。

② マーケットの異常な熱狂状態、つまりバブルを理解する視座を得ることができること。

上記のようなプロセスを理解していれば、バブルの発生と崩壊のパターンが存在し、なぜそのようなことが起きるのかが納得できることである。

環境が不透明であれば、数多くの選択肢が出現し、そして環境に適合するものだけが生き残り、あとは死滅してしまう。

③ イノベーションのプロセスが投資機会を提供すること。

投機のプロセスが整えば、次々に高値が更新されるという正のフィードバックが繰り返されと、マーケットは熱狂状態に突入する。

多くのシナプス、企業は、ついていけなくなる。イノベーションの道は失敗と無駄を伴うのである。

投資家の参入は後発でも構わない

剪定のプロセスの終わりに近づけば、生き残る企業を見分けるのはそれほど難しいことではない。生き残り企業を組み入れているポートフォリオが高い利回りを示す。

なにも機関投資家のように当初から参入し、高いリターンを得る必要もないので、後発でも充分間に合う。

脳の発達とイノベーションが類似しているこうした事例は、投資する際に参考になります。

大事なのは、マーケットやビジネスは社会的に形成されるものだが、自然現象とそっくりの性質をもっている。こうした類似点を応用することが大事である。

あらゆるイノベーションは過去からの飛躍である。ガス灯が電球に変わり、荷馬車が自動車に変わり、帆船が汽船に変わったように。しかし同時に、あらゆるイノベーションは過去の一部から構築されている。エジソンはガス会社に倣って電力の供給システムを作り上げた。初期の自動車は荷馬車メーカーによって製造された。最初の汽船は既存の帆船に蒸気機関を加えたものだった。

アンドリュー・ハーガドン

ジェフ・ベゾス:次のウェブ・イノベーション

 

ジェフリー・プレストン・ベゾス

アメリカ合衆国の実業家。Amazon.com の創設者でありCEO、取締役会長、社長。

大学卒業後ウォールストリートの金融機関のIT部門でトレーディング・システムの構築に従事。1990年にはヘッジファンド、D. E. Shaw & Co. に移籍し、1992年にシニア・ヴァイス・プレジデントへ昇進する。1994年春に World Wide Web の利用率が増加していることに気付き、退社し妻とともにワシントン州シアトルに移住。1994年までに WWW は政府機関や学術研究者にとどまらず、次第に一般の人々にも知れ渡っていった。ベゾスには eコマース事業が将来的に大きなビジネスチャンスになるであろうという先見の明があった。 1994年にインターネット書店の Cadabra.com を開業。翌1995年7月には Amazon.com として正式にスタートし、1997年5月には株式公開を果たす。ベゾスはインターネット・バブルの成功者の一人となり、1999年にはタイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出されている。

スポンサーリンク

【参照書籍】 投資の心理面から見た考察。投資をする前に読んでおいて損はありません。

DeSwitch Twitter

あわせて読みたい