【投資の心理学】 あなたが損失を出す前に覚えておきたい 欲望と恐怖のマーケットでの影響力と 10 の心理的 性向とバイアス

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巧妙かつ心理的な戦略で商売を伸ばすある企業と投資に関わる際のその罠の共通点を見ていきたい。

タッパーウェア・・・それは、心理操縦を悪用した仕組とでも言えるものを開発した。しかしそのやり方は・・効果的に機能した。 タッパーウェアパーティは何十年の間に何十億ドルという売上を記録したのだ。 チャーリー・マンガ― 【チャーリーマンガ―の言葉 パート2より】

影響力を受けずに自然の摂理を欺けるか

① 返報性

― お返しの恩義を感じない人間社会はないという調査結果がある。
募金集めのハガキを送ってくる慈善団体から、家の無料査定を提供する不動産会社に至るまで、企業はこの行動性向を十二分に活用する。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第2章 返報性―昔からある「ギブ・アンド・テーク」だが…

② コミットメントと一貫性

― 私達は一度決断してしまうと、なかなかそれを変更しにくいものである。公に認められた決断であればなおさらである。この行動性向は、ふたつの問題をかかえている。ひとつは、問題について考えることを回避させる。もうひとつは、何かを変更させることを回避させる。すなわち一貫性は、ますは思考を、そして最後には行動を止めてしまう。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第3章 コミットメントと一貫性―心に住む小鬼

③ 社会的証明

―私達はよく、他人の行動を観察しながら何かを決断する。極端な例であるが、心理学者のアッシュの実験でも分かるように集団思考に掛かりやすく、私達は皆、他人の言動にかなり依存してしまうことを示している。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第4章 社会的証明―真実は私たちに

④ 好意

―私達は、好きな人に対して、あまり否定的な返事をしたくないものである。
自分と似ている人、自分を褒めてくれる人、自分の力になってくれる人、そして人を惹きつけるような力を持った人を好みがちである。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第5章 好意―優しい泥棒

⑤ 権威

―社会心理学者のスタンレー・ミルグラムが行った実験である、アイヒマン実験の結論は、リアルでゾッとするようなことを示している。人は間違っていると思いながらも、権威者には従ってしまうということである。行動そのものが理にかなっていないとしても、権威者は一般の人よりもその道に熟知しているものであると思い込み、権威者への従順さが、不適当な対応を招くことがある。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第6章 権威―導かれる服従

⑥ 希少性

― モノや情報が不足している状況、あるいはそう感じられる状況であれば、人はモノや情報を、より魅力的に感じるという実証実験がある。企業などは、今だけの限定品や限定サービスというもので、人間の行動性向を日常的に利用している。

参照記事 【影響力の武器を武器にする】 第7章 希少性―わずかなものについての法則

⑦ ヒューリスティック

― ヒューリスティックに起因するバイアスに陥りやすい傾向は、デ・ボンドによって行われた、個人投資家に対する調査で興味深い証拠がある。

彼らの 4 つの発見によれば、投資家は

  1.  自ら保有する株式の将来のパフォーマンスに関し、極めて楽観的で、ダウ指数に関しては、楽観的ではない。
  2.  予想していたよりも頻繁に自分の投資している株価が変動することに驚いた。という意味で過信していた。
  3.  株価予測は、過去のパフォーマンスに係留 (アンカリング) されたいた。
  4.  自己の保有する株式が市場全体と同じ方向に動く程度を過小評価した。

結果としてデ・ボンドの調査は、以下のことを教えてくれる。

 ● 個人投資家は、過度の楽観主義を示す
 ● 個人投資家は、過信する
 ● 個人投資家は、分散投資の効果について割り引いて考える
 ● 個人投資家は、リスクとリターンとの間にトレードオフがあることを否定する

参考記事 【確率とデータでの意思決定】 ヒューリスティックと確率認知バイアスに陥らないための10の法則

⑧ 自信過剰:自己帰属バイアス

― アナリストと投資家が陥りやすい罠と言えば、自信過剰と自己帰属バイアスであり、多くの人々が悩まさせると考えられる。自己帰属バイアスとは、人々がうまくいった結果については、自分自身の能力のおかげと考え、うまくいかなかった結果については、運が悪かったと考えるという状況を言います。

このバイアスの理論の組み合わせで行くと、投資家は広く公開された情報源から得られる情報に対して過小反応し、自分自身で得た情報や自分で行った分析については、過剰反応することになる。

参考記事【成功神話 現実の意思決定】自信過剰・予言・うぬぼれ・神話の罠に陥らない為の3つの視点と5つの要因

⑨ 勝者の呪い

― 勝者の呪いとは、オークションなどに参加をしている場合、勝者というのは市場の評価額よりも高い値段で落札することが多く、結果的には勝者である人間が損をするという現象を引き起こす現象のことを言う。【参照証券用語

仮に IPO 案件に投資を考えるとして、投資家として公募価格でいくらかの割当を受けたいと期待している。自分の割当がどうなるか、また公募価格がどのようなものとなるか、あなたは知らない。公表されていない情報も持ち合わせていないと仮定しよう。

しかしながら、公開しあなたは以下のことを知る。公募価格は当初の目論見書に書かれていた範囲の下限よりも低く、発行株式数は当初目論見書と変化なく、希望した株数全株が購入できるということである。

こうした事例で勝者の呪い仮説によれば、重要な内部情報を持っていない賢い投資家ならば、あなたが質の悪い IPO に引っかかる可能性を覚悟に賭けに出るのは、受け持つ証券屋が、一般的に新規公開株の価格を低めに設定している場合だけである。

参考記事 【M&Aと市場参入:経営者の意思決定】自己中心的な行動や自信過剰に陥らないための7つの提言

⑩ バンドワゴン効果

― 流行効果と呼ばれるものである。投資家が、他の多くの投資家がその公開株などに興味を持っているのが分かると、彼らは慌てて一緒の船に乗ろうとする可能性が考えられる。

バンドワゴン効果には、2つの側面がある。

  1.  群衆は何かを知っているはずだという信念をもつこと
  2.  不幸は皆で経験した方が好ましいと考える

後悔の可能性がある場合、同類が多数いることは安心感をもたらす。悪い結果が出た場合にも、他の多くの人が同様に振舞ったという事実によって、後悔の痛みは緩和されるからだ。

参照記事 【影響力の武器】原理と実践的検証:社会的証明・バンドワゴン効果・平均値磁石効果・選択パラドックス

タッパーウェア:ロラパルーザ効果 巧妙に仕掛けられた商売

タッパーウェアパーティは、人間の6つの行動性向のうちの4つを利用している。そして、それを利用してビジネスを拡大してきた。タッパーウェアパーティは、そのパーティにおける、コンサルタント事業によって年間約 10 億ドルも売り上げているという。

タッパーウェアパーティが利用する行動性向の一つは「返報性」である。
パーティの初めの方は、クイズが行われ、参加者はクーポン券を獲得し、それで景品がもらえる仕組になっている。次に参加者は、ある一人が先に購入していた商品を、皆でシェアして使うように勧められる。

これが「コミットメントと一貫性」の証になるのである。ひとたび購入が始まれば、購入自体が「社会的証明」となり、他の購入を促すことになる。パーティの持つ重要な側面は、好きな人に否定的な返事をしたくない「好意」を上手く利用している点だ。

見知らぬ人から勧められるよりも、顔見知りの友人から勧める点が大きな特徴であり、相手への同調を通じて効果的に共感を訴えながら製品の特徴を強調する「フィール・フェルト・ファウンド戦術」を活用している。

これらの効果が巧みに組み合わせることにより、驚異的な売上を上げているのだ。

投資の心理学:影響力とバイアス

影響力の武器で示した 6 つの行動性向のうちの 3 つ、コミットメントと一貫性、社会的証明、希少性は投資家にとって特に関連の深いものと言える。

自分の決めた銘柄に投資を決めたとして、賭け金を払う直前より払った後のほうが、その賭けに勝つ自信をより深めると心理学者が見出した。

いったん決断してしまうと、あとから出てきた根拠が最初の決断に疑問を投げかけるものであったとしても、その決断に矛盾するような言動は取れないという、内的・外的両面のプレッシャーを感じると指摘している。

ある銘柄を推奨する投資家は、周囲にも推奨し、同僚や顧客に投資することを推奨することにより、その使命に忠実になる必要性を感じてしまう。こうした人間の行動性向に関連するのが「承認の罠」といわれる。

決断したあとは、その決断に沿うように情報には心を開くものの、そうでない情報には否定的になってしまう。柔軟性のなさがもつリスクを軽減する有益なテクニックとして、物事を特定の値としてではなく、確率を伴った値の範囲の中でとらえる手法があり、いくつかのシナリオを想定しておけば、適切にかつ柔軟に対応することが可能であることを指摘している。

投資家にとって、社会的証明の悪影響を相殺するためには、見解の多様性の崩壊に気づくことと、極端な見方を尊重することが大事であり、希少性は、特に投資家の場合、希少性の高い情報を常に探している。マーケットがすでに織り込んでいる情報を賢明に解明することが命題になる。

関連記事 【影響力の武器を武器にする】 第1章 影響力の武器

まとめ

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投資に関わる人々は、より多くのバイアスと行動性向を理解しておく必要があるだろう。

武器となる資金を使い、最適な意思決定をすることにより収益は大きく変わります。

こうしたバイアスや行動性向に遭遇した場合、冷静な対処と一旦退いたり、判断を保留し熟慮する必要もあるだろう。

休むも相場であり、機会やチャンスに恵まれた場合にも果敢に挑戦するのも相場である。

どうか投資をする方々には、戦略的な視点に立って、最適な投資ライフを送って頂きたい。

【参照書籍】 投資の心理面から見た考察。投資をする前に読んでおいて損はありません。

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