【 肥満と飢餓 】 世界フード・ビジネスの不幸のシステム~フードシステム変革のために必要な 10 の取り組み

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農民・消費者・労働者・地球を喰い潰すフードシステム

あなたが食品企業の重役や経営者でないかぎり、フードシステムは、あなたのために機能していないと伝えている。

世界中で、農民と農業従事者たちは、政治家に黙殺され、市場にもてあそばれ、死の淵を漂っている。消費者は、加工食品をたらふく食わされ、中毒にさせられていると著者はこの書籍で繰り返し述べられている。

アグリビジネスの食品とマーケティングは、食に起因する病気を爆発的に増加させ、私たちの身体を害し、世界中の子供たちの身体に時限爆弾を仕込んでいる。

スーパーマーケットは、安価な高カロリー食品をたくさん取り揃えているが、そのせいで地域の経済は大打撃を受けている。私達は、食べ物の生産現場からも、食の楽しみからも、ますます遠ざけられている。

世界には、正しい世界にする為に、希望を現実のものとしている事例を紹介しており、現在の食の秩序に痛めつけられてきた人々は、各地で組織化を進め、この秩序に闘いを挑んできたという活動を広く伝えることに本書の目的があるという。 そこで今回は、著者がフードシステム変革のために必要な 10 の取り組みを紹介したい。

さらに詳しい内容を知りたい方は 【  肥満と飢餓――世界フード・ビジネスの不幸のシステム 】 参照されたし。

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フードシステム変革のために必要な 10 の取り組み

  1.  私達の味覚を変える
  2.  地元の食材を旬に食べる
  3.  農業生態系を保全する食べ方を実践する
  4.  地域の人々による事業を支援する
  5.  すべての労働者には、尊厳を持つ権利がある
  6.  根本的かつ包括的な農村の変革
  7.  すべての人に生活資金を保障する
  8.  持続可能な食の在り方を支援する
  9.  フードシステムから、ボトルネックを取り除く
  10.  過去にも現在にも存在する不正義の責任を自覚しその償いをする

世界フード・ビジネスの不幸のシステムからの変革

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上記の内容に沿って、フードシステム変革のために必要な 10 の取り組みを順を追ってみていこう。

 1. 私達の味覚を変える

現在のフードシステムがもたらした被害の大部分は「消費者の需要」という大義名分によるものである。

フードシステムの企業は、皆が食べたいから、あるいはそう主張して、砂糖や塩、脂肪、および食肉を提供してきた。供給を止めるには、需要をなくせば良いということである。

もちろん、言うは易く行うは難しである。加工食品や高カロリー食品に対する私たちの嗜好を変えるのは、そうした食品を毎日食べるようになった現代においては、簡単なことではない。

今日の健康によくない食生活を代表するスナック菓子やファストフードなどの間食が「衝動買い」と呼ばれているのは、当を得た表現である。食品企業は、私達の心理的欲求を掘り起し、間違った方向に誘導する為に巨額を投じてきた。

私達が主権を取り戻すためには、自らの欲求について再考し、堕落した本能を叩き直さねばならない。現在のフードシステムが提示する選択肢にはない選択を行うためには、一時的な自身の好みに疑いの目を向け、好きだから買うという短絡的な選択を行わないようにする必要がある。

最も効果的な方法は、自身で食事を準備する技と官能を取り戻すことが近道だ。

2. 地元の食材を旬に食べる

長距離輸送に向けて栽培されたのではなく、実際に長距離輸送されていない食べ物は、美味しく、生産コストも安く、カーボン・フットプリントも少ない。

このような食材は、特定の季節にだけ味わえる。地元消費用に栽培される食材は、輸送に向く品種である必要がない。味覚を変えるということは、食品産業の提供する食べ物を拒絶することであり、大事に育てられた食べ物を探し出すことである。

味覚を変えることは、何を食べるかということでなく、それがどこで、どのように生産されたか、ということまで重視しなければならない。

 3. 農業生態系を保全する食べ方を実践する

農民は、農薬に依存しなくなったとしても、現在のフードシステムの他の問題からは逃れることができない。

より根本的な解決策は、農業生態系を保全する農業として文字通りの「有機」の精神にしたがった一連の原則が示している。キューバで発展しつつある農法であるが、世界各地にはそれぞれの地域に則した同様の農法が存在する。

国内では、自然と共生し、土地の生産力を維持・涵養し、多品種を栽培し、それぞれの地域とコミュニティの需要や、天候、地形、生物多様性、および希望にあった農業を行うという農業哲学に裏打ちされた農法である。

この農法では、地域社会に農業が根付くことを目指していることである。食料が、これを食す人々の暮らす環境と調和する方法で生産される最も良い方法は、その環境を熟知し、自身で食料を生産することである。

食料を自ら生産することは、自身で調理することと共通の長所を持つ。生産する者に力を与え、安価であり、地域コミュニティを再生し、体を動かすのに最適な方法である。これを実践するのに土地を所有する必要はない。

都市の様々な場所でも、有機農作物は栽培できる。その行為を通じて、公共の空間と構造物に対する私たちの認識を変化させている。農業生産系に良い食料を生産するための時間と空間を見つけるのが難しい場合でも、それを実践している人々を探し出すことも重要である。

 4. 地域の人々による事業を支援する

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スーパーマーケットが、多様な選択肢を取り揃えているように見えたとしても、現実にはその正反対であることが多い。スーパーマーケットの棚には多数の商品が陳列されているが、地域の生産者や事業に比べると、スーパーマーケットが生み出す雇用は少なく、新鮮でない食品に高い価格をつけている。

露店で売られている食品の価格は、スーパーマーケットの三分の二程度と安く、地元で生産された食材である場合が多い。露店や地元の生産者がつくった品々は、ほとんど加工されていない為に健康に良い食材が並んでいる事が多く、そうした市場は、大きな資本力を持つスーパーマーケットに押されがちである。

地域の事業がスーパーマーケットに凌駕されているのは、世界共通の現象である。地域を支える農業者を支援すれば、スーパーマーケットまでドライブする時間を節約できるかもしれないし、生産者と様々な形で直接つながることもできる。

地域経済の活性化にも役立つこともあれば、お金を地元の市場で使えば、地域内部で循環して、地域の生産物の購入に使われ続けていく可能性が高い。地域社会への波及効果を考える必要もある。

フードシステムを飛び越えて生産者と知り合うことは、買い手と売り手の関係を橋渡しすることよりも、ずっと意義が深い。貧富の格差を生み出している構造的な不平等をなくす必要があり、単なる取引という域を超えたつながりを生む出すこと、お互いの理解を深めることが大事である。

 5. すべての労働者には、尊厳を持つ権利がある

今日のフェアトレード認証制度では、労働者を守ることはできない。労働者が望むような労働条件を確実に手に入れる方法は、会社を所有することである。昨今では、素晴らしい経済的な民主主義のモデルとなるような協同組合が増えてきている。

組織化ができれば交渉が成立するが、組織が分断されれば、労働者は懇願するしかなくなる。農業労働者の交渉力を高めるには、フェアトレード契約を交渉する場合であっても、迫害を受けることなく自由に組織化することが認められねばならない。

 6. 根本的かつ包括的な農村の変革

世界で最も貧しい人々は農村に暮らしているが、農業に対する開発支援や投資は、他の産業に対するそれに比べると、きわめて貧弱な状態にある。

支援のあり方も、農民から利益を吸い上げている地主やアグリビジネスなどの富裕セクターに偏っており、最も貧しい人々に対する資源の再配分は、土地の分配を含めて、ほとんど行われてこなかった。

包括的な農村の変革とは、農村に経済機会を生み出し、質の高い生活を実現することで、人々がそこに移住し、そこで暮らしたいと思うようになるような農村をつくっていくことである。

 7. すべての人に生活資金を保障する

収入や時間に制約がある人々には、低品質で栄養価が低く、倫理的でない食べ物しか選択肢がない。

公正なフードシステムに移行するためには、所得を再分配することが必然であり、そうすることですべての人とすべての子供が健康に良い食品を得られるようになり、それを味わう時間と場所と資源を確保することができるようになる。

生活賃金と適正な労働条件、及び尊厳を持てる仕事が得られるようにするための運動を支援しなければならない。

 8. 持続可能な食の在り方を支援する

食糧主権の確立に向けた、最も困難かつ時間のかかる課題は、私たちの生活環境をどうしたらよいか、という問題である。地域の食べ物を取り巻く環境を変えていくためには、空間とスプロールの問題に取り組まなければならない。

 9. フードシステムから、ボトルネックを取り除く

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現在フードシステムの不平等から最も恩恵を受けている企業こそが、本質的な変化に最も抵抗している勢力である。

アグリビジネスに対する補助は早急になくさねばならない。化石燃料の使用を通じて工業的農業による温室効果ガスの排出に対して注ぎ込まれている補助金の拠出も止めさせねばならない。

消費者と生産者からの独占的な収穫に対して、反トラスト法よりも積極的な規制が必要であることを意味する。現在のフードシステムの環境コストと健康コストのすべてが、商品価格に反映されすべきである。

加工食品の価格を、身体と地球に与えた損害を反映するレベルにまで引き上げる必要があり、自治体に対して巨大なアグリビジネスの力に制限を加えることを求め、都市や地域から、健康上の理由から、今のフードシステム企業を排除する動きをする必要がある。

10. 過去にも現在にも存在する不正義の責任を自覚しその償いをする

南側諸国の農村を搾取することによって、北側諸国ではほとんどの人が利益を受けてきた。北側諸国の工業活動が、気候変動という形で地球全体に影響を与えているが、その影響を最も受けるのは南側諸国の農業であり、南側諸国の農民の生活は、フードシステムに政治が介入したことにより厳しいものとなった。

北側諸国の余剰作物が、生産コストを下回る価格で、南側諸国のダンピング輸出されたためである。この慣行を止めなければならない。

消費者は、悪しき企業に制裁を実践する必要がある

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食品企業は、加工食品がもたらす害悪を自ら取り除くことに熱心な振りをしている。これらの企業のなかには、バランスのとれた食事と同じくらい健康に良い栄養補助食品を開発したり、有機食品小売企業に変貌したり、カーボンラベルを貼付して、その商品の生産過程で排出された二酸化炭素の量を明示することも検討する企業もある。

また地域社会に還元というPRに熱心な企業も散見されるが、還元について語る企業には、これら同社からの贈り物が、そもそも生産者から吸い上げられた利益によってまかなわれていることは語られない。

良い事業は収益性の犠牲になるというのが、企業の社会的責任の基本原則であるが、あらゆる小売大手において、社会貢献事業は余剰利益でまかなわれており、広報部がどう説明しようが、それを負担しているのは株主たちである。スーパーマーケットは、フードシステムの砂時計のくびれ部分に位置する他の食品企業と同様に、自社の利益につながる場合のみ、消費者の願望を取り入れている。一ドル一票という厳格な市場原理が事業決定を支配しており、儲けにつながらないニーズが顧みることはない。

そのせいで、小売業界による倫理的な買い物の提案では、食料主権を実現することは不可能である。

結局のところ、スーパーマーケットは、現代の消費者主義の伝導所なのである。消費者は、商品の来歴について忘れる方法を学び、ショッピングに病みつきになる楽しさと一抹の後ろめたさを学ぶのである。

スーパーマーケットは、一方で利益追求と搾取を続けながら、他方で消費者に見せかけだけの社会変革を喧伝する程度のことしかできない。これらフードシステムは、有り余るほどの食べ物を生み出されていく過程で、貧困も作り出している。

その生産と流通のシステムを通じて、飢餓と病気がもたらされている。フードシステムは、農村から富を吸い上げ、人々の不満を抑える程度に再配分を行うことを目的に構築された。私たちは、政治的な責任をしっかりと自覚する必要があるということだ。

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私達は具体的な行動を起こし、世界中の人々と共感し、連帯する必要があるのである。私達が行動することで、既存のシステムから距離を置くことで、選択とシステムを取り戻すことができるとしている。

私達は、変革の一翼を担っており、私たちの下す選択と生産された土地で食べ物を食べることの意義を理解し、地域がひとつになり、国際社会がひとつになることを訴えている。

今こそ、組織化し、教育し、食を楽しみ、食を取戻し、新たなフードシステムを生み出す時だとしめられている。

それはほんのちいさな一歩でも構わない。ひとりひとりの小さな一歩が世界を変えるのである。

参照画像 【国連世界食糧計画】
参照画像 【Ciad: il lungo viaggio di Radie】
参照画像 【優生学による人種操作】
参照画像 【食糧問題(Food Problem)】
参照画像 【Child Obesity Ads Aim To Create Movement Out Of Controversy】
参照画像 【NYC Fast Food Strike: Employees Walk Out & the World Goes On】
参照画像 【Reduce Facebook-Induced Overeating With A Weight Loss App】
参照画像 【Building the One Big Union: The Organizing Campaign】
参照画像 【Uganda to Host International AgriBusiness Forum】
参照画像 【How to Start an Agribusiness】

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