【銃・病原菌・鉄】 1万3000年にわたる人類史の謎~フロンティア拡大の野望は欧米人の基本的本能

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1万3000年にわたる人類史の謎

内容紹介 : アメリカ大陸の先住民はなぜ、旧大陸の住民に征服されたのか。なぜ、その逆は起こらなかったのか。現在の世界に広がる富とパワーの「地域格差」を生み出したものとは。1万3000年にわたる人類史のダイナミズムに隠された壮大な謎を、進化生物学、生物地理学、文化人類学、言語学など、広範な最新知見を縦横に駆使して解き明かす。さらに詳しい内容を知りたい方は

【 文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 】
【 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 】

を参照していただきたい。

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スペイン人とインカ帝国の激突

122545878840ヨーロッパ人とアメリカ先住民との関係におけるもっとも劇的な瞬間は、1532年11月16日にスペインの征服者ピサロとインカ皇帝アタワルパがペルー北方の高地カハマルカで出会ったときである。

アタワルパは、アメリカ大陸で最大かつもっとも進歩した国家の絶対君主であった。対するピサロは、ヨーロッパ最強の君主国であった神聖ローマ帝国カール五世の世界を代表していた。

そのときピサロは、168人のならずもの部隊を率いていたが、土地には不案内であり、地域住民のこともまったくわかっていなかった。

いちばん近いスペイン人居留地から南方1000マイルのところにいて、タイミングよく援軍を求めることもできない状況にあった。一方、アタワルパは何百万の臣民を抱える帝国の中心にいて、他のインディアン相手につい最近勝利したばかりの八万の兵士によって護られていた。

それにもかかわらず、ピサロは、アタワルパと目をあわせたほんの数分後に彼を捕らわれていた。その八か月間、アタワルパを人質に身代金交渉をおこない、彼の解放を餌に世界最高額の身代金をせしめている。

しかもピサロは、縦22フィート、横17フィート、高さ8フィートの部屋を満たすほどの黄金をインディオたちに運ばせたあと、約束を反故してアタワルパを処刑してしまった。

まさしくヨーロッパ人によるインカ帝国の征服を決定づけられたのは、ピサロが皇帝アタワルパを捕らえたことである。アタワルパが捕まった瞬間は、有史時代における最大の衝突の結果を決定的にした瞬間である。

インカ帝国 : 最後のインカたち

インカ帝国が倒れた後、新たなスペイン人の統治者たちは人々に厳しい苛政をしくとともに、彼らの伝統を抑圧した。洗練された営農組織を含むインカ文化の多くの分野が組織的に破壊された。スペイン人たちは人民を死に至るまで酷使するためにインカのミタ制(労役)を利用した。各家族から1人が徴用され、ポトシの巨大な銀山に代表される金銀山で働かされた。

こうした状況の中、伝染病が壊滅的な打撃を与えた。天然痘はスペイン人の侵略者たちが最初に帝国に達するより前にコロンビアから急速に広まった。おそらくは効率的なインカの道路網により波及が容易になったものである。天然痘はわずか数年間でインカ帝国人口の60パーセントから94パーセントを死に至らしめた。さらに、ヨーロッパから到来した他の病気の波により更に人口は減少した。1546年(推定)のチフス、1558年のインフルエンザと天然痘、1589年の天然痘再流行、1614年のジフテリア、1618年の麻疹、こうしてインカ文化の残滓は破壊された。

銃・病原菌・鉄

Guns, Germs and Steel Part 11 of 18

 

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ピサロが皇帝アタワルパを捕虜に出来た要因こそ、まさにヨーロッパ人が新世界を植民地化できた直接の要因である。ヨーロッパ人が新世界を植民地化したことの直接の要因がまさにそこにあったのである。

ピサロが成功に導いた直接の要因は、銃器・鉄製の武器、そして騎馬などに基づく軍事技術、ユーラシアの風土病・伝染病に対する免疫、ヨーロッパの航海技術、国家の集権的な政治機構、そして文字を持っていたことである。

本書では、ヨーロッパ人が他の大陸の人々を征服できた直接の要因を考察したが、それらの要因が新世界ではなく、なぜヨーロッパで生まれたのかという根本的な疑問は依然として謎のままである。

銃や鉄剣を発明したのは、なぜインカ人でなかったのか。なぜインカ人は、馬と同じくらい恐ろしい獣を乗りこなすようにならなかったのか。なぜインカ人は、ヨーロッパ人が耐性をもたない疫病に対する免疫を持ち合わせるようにならなかったのか。なぜ、大海を航海できる船を建造するようにならなかったのか。

なぜ、進んだ政治機構を生み出さなかったのか。なぜ、人類数千年の歴史を書きとめ、経験を身に付けることができなかったのか。これらの疑問について本書では考察していく。

さらに詳しい内容を知りたい方は、本書を手に入れて確認して頂きたい。

考察~フロンティア拡大の野望は欧米人の基本的本能

感染症の歴史:天然痘

16世紀にスペインがアメリカ大陸を侵略した際、このウイルスを持ち込み、奴隷労働とあいまって先住民人口が激減する不幸な事態となった。W.H.マクニールは、エルナン・コルテスが1521年に600人弱の部下で数百万の民を擁するアステカ王国を軍事的に征服したのみならず、文化的、精神的にも征服しえたのは、コルテス一行が持ち込んだ天然痘ウイルスによってアステカ王国の首都で天然痘が猛威をふるっていたためだとしている。

1533年のフランシスコ・ピサロによるインカ帝国の征服も、それに先だって中央アフリカから帝国内の現代のコロンビアの領域にもたらされた天然痘による死者が膨大なものであり、人口の60パーセントから94パーセントを失ったことによるとされる。

1526年にはインカ皇帝のワイナ・カパックや宮廷の臣下たちの大部分が天然痘がもとで死んでいるが、後継者とされたニナン・クヨチもまた天然痘で命を落としてしまった。そのため王位をめぐる争いがアタワルパとワスカルの異母兄弟のあいだで起こった。ピサロは、そこに付け込んだのである。両帝国とも、馬や鉄器、火砲をもたない軍事的敗北の結果といわれるが、それ以前に天然痘が猖獗をきわめたことにともなう帝国側の戦闘力喪失が最大の要因であった。

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なるほどたしかに面白い。 いつものくどい言い回しは、ダイアモンド氏の個性と言うことで理解しました。前回の「文明崩壊」とセットで読むと、なるほど研究の本質が見えてきますが、ほとんどがなにかしらのメディアや文献で報告させている内容が、いくつも散見されていることからして、特段めずらしいと言った事例はない。

ただ出版された当時は、非常にユニークな視点であったのではないかと思う。人気の高さは、欧米の覇権主義の解明を三つの観点 ( 銃・病原菌・鉄 ) から考察したことにあるだろう。

時代考証上の観点から、私は補足資料として、【戦争の世界史―技術と軍隊と社会】を併読しながら読み進めることが出来たので、理解は早かった。

世界史はあまり得意ではないが、大航海時代の欧州列強が、植民地支配を確立する過程を、新大陸で侵略できた理由と侵略しなければならない理由を両面で追えたのは、非常に収穫であった。ひとつの目的を、複眼的に見ることによって、様々な立場や角度から物を観る事ができることは、ビジネスにとって非常に重要である。

古い事例であるように見えるが、現在欧米列強がやっていることは、テクノロジーが進んだだけで、昔から本質は大して変わっていないなぁと実感している。また日本への考察は、稚拙さを漂わせているので、やはりこの著者も欧米人流の浅い考察で網羅した気でいるので注意が必要だ。

現在では成田などの空港で、病原菌を持ち込む海外でやらかした旅行者が、今後何人も帰ってくることが予想されるが、その当時は、やらかしそうな南蛮人を見分ける方法はなかった。

そういう意味で、日本の選択 ( 南蛮人の交易は一定の条件をつけて制限する ) は、植民地化 ( 銃・病原菌・鉄 で) されないための、時代上賢明な選択だったかもしれない。

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