【 ナポレオンのエジプト 】 東方遠征に同行した 科学者たちが遺したもの~ 世界で戦える 自分をつくる 5 つの才能

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若き野心家たちの冒険

ナポレオンのエジプト遠征には、多くの奇妙な、異常とさえ言えるような側面があった。軍隊に同行すべく組織された 151人からなるパリの画家と科学者の集団もまた、この冒険にからむもうひとつの現実離れした要素だった。

 

パリのもっとも優秀な知性の一団が、自分たちの安全な研究室、スタジオ、教室をあとにして、船に乗り込んだ。天文学者、数学者、博物学者、物理学者、医者、化学者、エンジニア、植物学者、そして画家達、詩人や音楽学者さえいた。

 

彼らは、机に鍵をかけ、書物を荷造りし、友人や家族に別れを告げ、大部分のメンバーにとって文字通り未知の航海へと旅立ったのである。 【本文より】

 

本書は、この軍事的側面の背景に、同行した学者たちの活動に焦点を合わせたノンフィクションである。

遠征に学者集団を同行させることは、ナポレオンは、自らをアレクサンドロス大王に擬して作り上げた途方もないミラージュの一部だった。

1801年に英国に降伏して終わった遠征は、軍事的には失敗であったが、結果的にこの学術調査団の活動が、唯一の意味を見出すとは皮肉である。

さらに詳しい内容を知りたい方は
【 ナポレオンのエジプト―東方遠征に同行した科学者たちが遺したもの  】 を参照していただきたい。

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エジプト・シリア戦役 とは

【 エジプト・シリア戦役 】

1798~1801年まで仏軍がエジプト・シリアへ遠征した戦役。単にエジプト遠征とも、軍の名前から東方遠征ともいう。

大陸制覇を進める仏にとって、海の向こう側は手を出すことができず、いわば目の上のこぶであった英国を牽制するためであった。エジプト奪取は英国本国と印度植民地、印度と地中海の交易をなくすことができ、印度の植民地を奪取することにもつながるため、戦略上重要と考えられた。

エジプトは、300年間オスマン帝国の統治下にあったが、イスタンブル帝国政府の支配力は衰えを見せ、24に分割した県知事の支配するマムルークの有力者”パシャ”によって実質上牛耳られていた。

カフカスのチェルケス人等の非アラブ系の白人奴隷からなるマムルーク達は、奴隷戦士として外来の傭兵であったが、土着し地元民を支配し勢力を持つようになった。

仏は、マムルークの支配からエジプトの民衆を解放するとし、友好国のオスマン帝国の正統な支配を助けるという名目を盾にエジプトに侵攻することとなった。

ナポレオンの思惑 植民地支配に利用された学者たち

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遠征に学者を同伴させることは、文明化促進の使命という理想に信憑性を与えた。

非アラブの独裁者達に支配されているアラブ人に、仏風の文化と民主主義をもらたす主張は、現在においてもあまり変わってない。

完全な侵略行為なのだが、道徳的な外見をまとわせること、彼が精神的見本としていた、アレクサンドロス大王のペルシャ侵攻を模して、野蛮な植民地支配活動にある種優雅さを添えるための道具でもあった。

最後にナポレオンが期待したのは、占領した領土の統治を助け、土地を測量し、水を発見し、指導者たちとの友好関係を築き、敵との交渉カードに使えること、占領軍の行政面でのサポートも期待したのだろう。

少なくとも学術上の発見や科学進歩を期待したのではないのだ。しかし彼らのほとんどは、20代と若く、遠征した理由は、キャリアの昇進を望む野心的な夢を利用したことになる。

エジプトに魅了されたその後

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彼らは渡航する際、知り合いなどほとんどおらず、旅と遠征をすることで、友情が芽生えたのであろう。

遠征の 3 年間は、生涯にわたる絆を形成した。
自分たちが見たもの、経験したものの意味について議論しながら、残りの人生を過ごしたという。

若者たちは中年になり、次々と年長の仲間の為に、弔辞を読んだ。
なかには隣合わせの墓に埋葬してほしいと言い残した者もいたという。学生たちの何人かは生き残り、生涯をかけ熱中すべき対象をエジプトで見出したが、大半は仏に帰ることはできなかった。

【 エジプト・シリア戦役:学術的貢献 】

292966101516518エジプトへの遠征にあたって科学者や建築技術者からなる学術調査団を同行させた。彼らはエジプトの地勢や物産の調査のほか、古代遺跡の調査にあたった。調査団の最も有名な業績はロゼッタ・ストーンの発見である。

業績は後に1809~1828年にかけて刊行された『エジプト誌』にまとめられ、エジプト学の成立に大きく寄与した。

遠征と『エジプト誌』の誕生が、ヨーロッパのオリエンタリズム形成のきっかけのひとつだとしている。

世界で戦える自分をつくる 5 つの才能

国家が大号令をかけて世界に出ていくことは、現在においてもあまり変わらない。
いつサヴァンのように異国の世界で戦う機会が訪れるか分からない。

国益の為に、多くの国民を使うことは何も珍しくはないからだ。
私たちの国においても、これからは、世界を相手にする機会も増えてくるだろう。

すでに世界の人々と関わっている人も多いだろうが、ここで世界で戦える自分をつくる 5 つの才能を紹介したい。

さらに詳しい内容を知りたい方は 【 世界で戦える自分をつくる5つの才能  】 を参照していただきたい。

1. 戦略を描き出す

私達は、成し遂げたい夢、なりたい自分、望むライフスタイルがあります。変化する環境の中で、自分の人生のハンドルを自分で握り、得たいものを得て、生き残っていくには戦略が必要です。

彼らは、学術上の成功を夢見て、人生のハンドルを握り、命がけで冒険に出かけました。

2. 情報を読み見抜く

先が読めない時代であっても、限られた情報の中から、世の中で何が起こっているか、これらか何が起ころうとしているのか、自分なりに世界を見る力をつけましょう。

彼らは、遠征の情報を掴み、未知の研究を出来、リスク覚悟で旅に出かけました。その内容は知らされることはありませんでしたが、遠征をする情報を掴む能力が未来を決めました。

3. スキルを高める

描いた戦略をベースに、実際の自分の実力を高め、競争力をつけるものです。

一人になっても商売できる人になることです。

コンテンツをつくり流通に乗せ、世界マーケットの中で売上を上げる能力を磨くことです。

彼らはエジプトで研究し、自らの学問的見識を大きく高めることに成功しています。

4. 仕組をつくる

稼ぐ力をつけても、自分の労働に100%依存したり、常に顧客を探し刈取り続けるには限界がきます。

自分の労働力に頼らず稼げる仕組み、継続的に仕事が舞い込む仕組づくりが重要である。

彼らは「 東方軍所属学芸委員会 」をつくり、多数の研究を仕組を以てあとに続く人々が研究をする為の考古学を生み出しました。

5. ブレイクスルーを起こす

壁を突破し、限界を突破しイノベーションを起こすことです。

彼らサヴァンは、最終的に1809~1828年にかけて刊行された 『 エジプト誌 』 にまとめられ、エジプト学の成立に大きく寄与しました。

欧州のオリエンタリズム形成のきっかけのひとつとなり、”エジプトブーム” を 欧州 にもたらしました。

エジプシアンたちの友情

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彼らの多くはエジプトで死に、あるいは帰国後まもなく死んだ。1860年代に最後の一人が死ぬまで、彼らはお互いに「エジプシアン」と呼び合い、毎年顔を合わせては、自分たちが計測し、スケッチし、理解しようとした砂の上の彫像、神殿、そして墓について思いふけった。

軍人でもなく観光客でもない、植民地支配者でもない彼らは、学問の領域からアプローチを試みた。
サヴァンたちは分類と計測を行い、収集し、日誌をつけ、報告書を書き、エジプトのハーレムだった部屋で開かれる正式な会合で発表しあった。

神を信じず、科学のみ信ずる彼らは、のちに「考古学」と呼ばれる新しい科学を作り上げる。
彼らはまた、三つの異なる時代の文字が彫られた灰色がかったピンクの花崗岩の石碑を発見した。

このロゼッタ・ストーンの収穫は取り上げられるが、発見した彼らは取り上げられることはないのが残念ではある。

戦争や国家の大義よりも大事なこと

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本書は、ここまでの物語において、とくに10人の学者を取り上げている。物語の構成はとくに面白い。

彼らの物語はフランスとエジプトでは有名であるが、他の国ではほとんど知られていない。彼らの冒険や、東西の理解に彼らが与えた野心的で美しく、また欠陥もある貢献について、聞いたことのある人はほとんどいないだろう。

とくに学術的に貢献した人々を遠征全体をいくつかの時間軸に分け、時系列に沿って流れを追いながら、その時期に関わったサヴァンの一人若しくは複数の人々に活動の焦点を当てている。

例えるなら従軍記者が刻一刻の戦場レポートを送ってくるような臨場感である。

どの章からも個性あふれるサヴァンたちのフィールドを味わって頂きたい。

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参照画像 【Campagne d’Égypte】
参照画像 【Napoléon 1er empire géographie】
参照画像 【L’expédition d’Egypte : une folie ou un investissement ?】
参照画像 【A Truthcentric Perspective】
参照画像 【Description de L’Egypte】
参照画像 【British Museum – The Rosetta Stone】

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