【組織行動のマネジメント】効果的交渉を妨げる意思決定 7つのバイアス

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交渉で期待通りの結果が得られなかった経験は誰でもあるが、なぜそうなるのか。 私たちは交渉からできるだけ、多くを得られる機会を見逃しがちである。私たちの目をくらませかねない7つの意思決定のバイアスを取り上げてみる。

1. 不合理な固辞

人は合理的分析によって推奨されるやり方よりも、過去に選んだ行動の方向性を継続しがちである。 誤った方向性へのこうした固辞は、膨大な時間、労力、資金の浪費につながりかねない。すでに投資してしまった時間と資金は「埋没費用」である。

それはもはや回収不能であるので、将来の行動の仕方を選択する際に考慮すべきではない。後悔はできるだけしないほうが良い。

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2. 固定総量の思い込み

自分達が得をするには、相手に損をさせなければならないと交渉者たちは思い込んでしまいがちである。 双方が勝者となる解決策を探ることをせずに、低価格競争に陥ったり、ゼロサム・ゲームを前提にしてしまうと、複数の勝者を可能にする選択肢を見つけられなくなる。

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3. アンカリング ( こだわり ) と適応

人は往々にして、最初の価格などにこだわって情報を判断しがちである。交渉開始時の立場には、多くの要因が影響を及ぼしており、こうした立場は無意味な場合も多い。 有能な交渉者は、最初のこだわりによって状況判断に用いる情報量の思考の深さを狭めてしまうことは無く、拙速に最初の申し出を重視しすぎることもない。

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4. 交渉における言い回し

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人は情報がどのような形で提示されるかによって、過度な影響を受けるきらいがある。

DHMOのジョークにおいてなされる説明

DHMOの説明は、視点をかなり限定して水についての性質を並べ立てることで、聞き手に否定的な印象を与えるよう工夫されている。 これは、事実のみを提示したとしても、その提示の仕方によっては聞き手の認識を誤った方向に誘導することができることを示す例と言える。

 

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5. 情報の入手しやすさ

交渉していると、往々にして、より重要なデータを無視して安易に入手できる情報に頼り過ぎてしまう。頻繁に遭遇する事象や事物は記憶に残りやすく、いつでも思い出すことができる。また印象的な情報も覚えやすく思い出しやすい。

慣れ親しんだり、印象深いために容易に思い出す情報は、信頼できない場合にも信頼できると解釈してしまう場合がある。有能な交渉者は、感情的に慣れ親しんだものと信用できる重要な情報を区分する術を心得ている。

代表性ヒューリスティック:リンダ問題

心理学におけるヒューリスティックは、人が複雑な問題解決等のために何らかの意思決定を行う際、暗黙のうちに用いている簡便な解法や法則のことを指す。 これらは経験に基づく為、経験則と同義で扱われる。判断に至る時間は早いが、必ずしもそれが正しいわけではなく、判断結果に一定の偏り(バイアス)を含んでいることが多い。

【リンダの問題】

リンダは31歳、独身で意見を率直に言い非常に知的です。はっきりものを言います。 大学時代は哲学を専攻していました。学生時代、社会正義と差別問題に関する活動に深く関心を持ち、反核デモにも参加していました。 リンダについてもっともありそうな選択肢を選んでください。

【選択肢】

1. リンダは銀行の出納係である。
2. リンダは銀行の出納係であり、フェミニスト運動の活動家である。

回答者はリンダの性格や学生時代の行動についての記述に惑わされて、より詳細な記述をしている【選択肢 2】を選んでしまう。 この研究結果から、示されている出来事が詳細であればあるほど人間の感覚が論理的な確率に基く判断から離れていくことが発見された。

確率の観点から”銀行の出納係であり、フェミニスト運動の活動家”である確率が”銀行の出納係”である確率を超えることはないとされ、前者のほうが高いということです。 もし【選択肢 2】に合致する場合に【選択肢 1】をチェックしても間違いにはならない。

私が建築コスト算出員をしているときに、この事例と似た課題が出た時に、工学かつ数学的に強いとされている設計や構造の人々でさえ、多くの方が選択を間違っていた。

6. 勝者の呪い

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勝者の呪い

証券取引や資源の採掘権の入札、企業買収の時はもちろんのこと、美術品や骨董品のオークション、競走馬のセレクトセール、はたまたインターネットオークションでも見られる現象である。

多くの入札希望者がいるほど価格がつりあがり、その結果、勝者の呪いを受けて大損することが多くなる傾向がある。今では、ヤフオクなどのネットオークションの普及により金持ちではない一般市民でさえもこの呪いを受けることがある。

このような体験を「勝者の呪い」という。それは交渉を終えた後に感じる後悔の念である。相手が自分の言い値を受け入れたばかりに、言い値が甘すぎたのではないかと心配になるようです。

多くの売り手は交渉において、他方よりはるかに多くの情報を持っている。情報の非対称化が起こる。

私の場合、コストアドバイスの現場で起こるこうした問題は、予算を明細を理解していない つまり、構造の重要な点を理解に努めないことが、こうした後悔の念が起こり、落札してもコスト面で窮地に陥ることになる。

7. 自信過剰

人は一定の信念や期待を持っている時、それと矛盾する情報を無視しがちである。自信過剰に陥ると、妥協のインセンティブが低下する。

● 適切な助言者の意見を検討すること
● 中立の第三者に自分の立場を客観的に評価してもらう

この傾向が現れそうな時に上記の2つの方法を意識的に取り入れることを勧めます。

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交渉力を上げ意思決定能力を向上に導く10の心得

① 意思決定能力は技術であり向上させることができる
② すべては目標からはじまる
③ 合理的なプロセス6つの手順を使う※【1】
④ 何もしないことにもリスクがあることを知る
⑤ 自己を知り、パーソナリティの傾向を知る
⑥ 自分の考えと矛盾する情報を探す
⑦ 中立の第三者は状況をどういう目で見るだろうかと考える
⑧ 偶然の出来事に意味をこじつけない
⑨ 創造力を駆使して選択肢を探す
⑩ 失敗を恐れずチャンスを逃さない

参照記事 【決断力を磨く技術】 意思決定能力を向上に導く10の心得

※【1 】 合理的プロセス6つの手順

  1. 問題を特定し定義する。
  2. 意思決定の基準を特定する。
  3. 基準に重みづけをする。
  4. 選択肢を考え出す。
  5. それぞれの選択肢を評価する。
  6. もっとも得点の高い選択肢を選ぶ。