いつも挫折してしまう人の共通点とは何か
私達は挫折を繰り返すたびに「意志が弱い」「根性が足らない」と自分達を責めます。
しかし本当の挫折の原因は「過去にどんな経験をしてきたか」ということであり、過去の経験は知らず知らずのうちに、私達の考え方や行動に多大な影響を及ぼすという。
目標達成できない理由は、これまでどんな生き方をしてきたかで、大きく 7 つのタイプに分かれると著者は語る。
成功からはあまり多くは学べないが、失敗や挫折の中には必ず改善のヒントが隠されていると思います。
そこで今回は、それぞれの挫折パターンの特徴と処方箋を解説し、行動心理学から見た場合、7 つのタイプに分類をここでは紹介したい。
さらに詳しい内容を知りたい方は、【 PRESIDENT (プレジデント) 2012年 7/30号 [雑誌] 】 を参照されたし。
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何回決心しても挫折する人 の 7 つのタイプ
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没落貴族タイプ
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自分と向き合わないタイプ
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虐待を受けたタイプ
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夢のままで終わるタイプ
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人生の器用貧乏タイプ
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習慣にできないタイプ
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目標達成するタイプ
1. 没落貴族タイプ
プライドが高く、チャレンジ意欲が湧かない
過去の地位に執着する人のように、昔の栄光が忘れられないタイプである。花形産業や羽振りのいい会社に勤めていたことのある、30代前半から40代の人に多いようです。
自己肯定感が非常に高いのに、チャレンジする気持ちが低く、それが挫折の原因になっています。チャレンジする意欲が持てない原因は、新しいことに挑戦しようにもプライドが邪魔することです。
なまじ成功体験があるためか「この方法で上手くいったのだから、他の方法を試す必要はない」と思い込んでいます。
さらに昔の自分は素晴らしかったという思いが強い人は「引き換えにいまはダメだ」と現在の自分を価値の無いもののように感じ、やる気を失ってしまうこともあります。
なぜこのタイプが現実を受け入れることが出来ないのか。「臨界点を超えようとしない」からだと指摘している。多くの人の臨界点は社会人になってから20年間ぐらい、つまり40歳を超えると、新しい仕事のやり方やほかの社会の常識などが頭に入ってこなくなると考えられます。
没落貴族タイプとは、この臨界点の症状がはっきりしている人達だと言えます。再びより良く働くためには、自分の経験やスキルを棚卸してこれまでの成功に貢献したものでない部分に目を向けてみることです。
当たり前すぎてあまり気にも留めなかった自分の強みが見えてくるかもしれません。それで何ができるかを考えることが重要です。
2. 自分と向き合わないタイプ
行きあたりばったりの底の浅い人生
自己肯定間は高くも低くもなく、チャレンジする気持ちはあるともないともいえないタイプ。仕事や人生について深く考えず生きてきたため、資格も特技も無く、40代半ばでリストラにあったりする人です。
行きあたりばったりで行動し、嫌なことがあるとすぐに会社を辞めるので、キャリアも人間関係も積みあがっていきません。このタイプの口癖は「面倒くさい」目標を立ててそれに向かって努力したりチャレンジしたりすることが面倒に思えて仕方ないのです。
このようなタイプは、自分が何を望んでいるのかをゆっくり考えるといいでしょう。自分の理想がわかれば、それに近づくための方法が見えてきて、惰性的な生き方から卒業できるようになります。
将来の自分をテーマとしたコラージュを作ってみましょう。例えば「三年後の自分」とか「未来の私」というタイトルで、写真などを切り抜いて紙に落としていきます。出来上がったものを見ると、自分でも知らなかった自分の願望が見えてきます。完成したコラージュを目につくところに張っておくこと。それで見るたびに元気になります。できれば3ヶ月ぐらいごとに更新すればなお効果的です。
家族に公開するのもいいかもしれません。長生きが出来るようになった現代では、50代、60代の人でも新たな目標を設定してそれを達成する時間は十分あります。
3. 虐待を受けたタイプ
どうせ自分はダメな人間と思い込んでいる
自己肯定感が低いのは、虐待を受けたことがり、その傷が残っているためです。人は虐待を受け続けると自信を失い「自分なんか何をやってもダメだ」という無力感に支配されるようになります。
このタイプは「自分が好かれるわけがない」「自分にいいところなんかない」という自己否定の色眼鏡で世の中を見て、他人の言動を何でも悪く解釈するので、職場でも私生活でも良い関係を築くには困難ですし、目標達成するのは大の苦手です。
「だって」「どうせ」「でも」「だから」とか「無理」とか「できない」が口癖なので、その癖を治すことからはじめると良いでしょう。このタイプがやる気を取り戻す方法は「正しく怒る」ことです。
「怒り」にはネガティブなイメージがありますが、貧乏や差別をバネにして社会的成功した人がたくさんいるように目盛が振り切れるほどの怒りをテコに力を発揮するのも良いでしょう。
ところが虐待されたタイプは、不当な扱いを受けることに慣れてしまっているので、怒らないことが多いのです。正しく怒ることで失敗や敗北をプラスに転化すれば、人生を変えるほどのパワーになることがあります。
4. 夢のままで終わるタイプ
いろいろ手を出すものの、モノにならない
自己肯定感もチャレンジする気持ちもそこそこ。だからいろいろなことを始める行動力はある。ところが最後までやり抜く力が弱いため、夢が夢のままで終わってしまう。それがこのタイプです。
プロを目指して張り切って勉強を始めても、厳しい現実に突き当たると急にトーンダウンしてしまう。自分からスタートを切れるし、いいところまでいくのに、ゴールまでたどり着かない。まさに残念なタイプであるといえます。
このタイプに足りないのは、自分でちゃんとした目標を達成したという経験。このタイプも、目標を立ててそれを達成する喜びを知ると、やがて大きな目標を達成できるようになります。まずは小さな目標で構いません。
数多くの目標を達成することで、物事を最後まで成し遂げる力を養いましょう。このタイプは苦しいことは嫌いですが、興味を持ったことはやるという性質を持っています。ある程度の期間、努力が続けばものになるのがこのタイプの特徴なので「三年は頑張る」とか「一年はやめない」というように、ざっくりと期間を区切るのも継続のコツです。
またこのタイプは典型的な三日坊主です。三日坊主でも、三日おきに再開すれば、一年のうち半分はできていることになる。大事なのは「全部で何時間やったか」だと考えてみるのも良いかもしれません。
5. 人生の器用貧乏タイプ
頭がよく「できない理由」を思いついてしまう
自己肯定感は高いときもあれば低いときもある。一方チャレンジする気持ちはとても低い。これがこのタイプの特徴です。受験戦争を勝ち抜いてきた人に多く、頭がいいのですが、それだけに現実が見えすぎるところがあります。
自分と誰と比較するかによって、自分の価値が相対的に上下するので、自己肯定感が一定せず、精神的に不安定です。器用であるため、さほど頑張らなくても一通りなんでも出来てしまうので、現実が見えすぎて大きなビジョンを描くのが苦手です。
チャレンジする気持ちに欠け、目標達成できない要因です。一方不器用なタイプは「自分にできることはこれしかない」と追い込まれているので、困難なことが起きても投げ出さず耐えるのです。その必死さと粘り強さが器用貧乏タイプには足りません。
このタイプが目標達成するには、これからの自分の三年計画( 35歳以上の人なら10年計画 )を作ってみる事です。このタイプも他のタイプと同様、遠くに目標を置いてそこへ向かって進んでいくことが苦手なのですが、計画を作ることでそれを補うことができます。
詳細過ぎるとネガティブな要素に目が付くタイプなので、「なりたい自分」を箇条書きにするくらいで十分でしょう。
6. 習慣にできないタイプ
年中、ダイエットや禁煙をしているのに成果が出ない
ダイエットや禁煙の失敗の常習犯や英会話が長続きしない人などが、まさにこのタイプ。チャレンジする気持ちが高いのに、自己肯定感が低いのが特徴です。
年中いろいろなことに挑戦しているけれど、途中で挫折してしまうのは、習慣にできないためです。あらゆる行動は、90日間続けば、習慣になるといわれています。
ところがこのタイプは自己肯定感が低いため、目標に取り組みながらも心のどこかで「自分には無理だろうな」「どうせ今回も失敗するんだろう」などと思っています。
私達の心のどこかに「変わりたくない」という強い欲求を持っていますから、いきなり新しいことを始めようとしたり、無理に習慣を変えようとするのはかえって挫折の原因になりかねません。
継続するコツは、すでにやっていることの「組み替え」をすることです。自分にとって負荷の大きいことは、負荷の小さい方法に置き換えればいいのです。
例えば、朝弱くて会社によく遅刻してばかりという人は、無理に早起きしなくても、会社の隣に引越せばいい。起きる時刻を変えなくても、住むところを変えれば同じ結果が得られます。
無理に自分を変えなくても、目標達成とプロセスを工夫するだけで達成できることはたくさんあります。
7. 目標達成するタイプ
突然燃え尽きて無力感に支配されスランプに
少数派ではあるものの、自己肯定感もチャレンジする気持ちも十分強く、決めたことは必ずやり遂げることができる人たちがいます。
このタイプは経営者や管理職に就いている人たちに多く見られます。しかしこのタイプが、いついかなる時でも目標達成できるかと言えば、そんなことはありません。
彼らのようにメンタルが強い人たちは、その強さゆえ、ブラックホールに落ちてしまうことがあります。このタイプは何事も「できて当たり前」と考えがち。
自分への期待値が高いので、たとえ弱っていても、それが認めようとせず、極端にストイックな生活を長く続けてしまう傾向があります。そのためある日突然燃え尽きて、無力感に支配されてしまう危険性が高いでしょう。
この罠に陥らないためには、定期的に質の高い休息を取る事。日本では「休むこと=サボり」のような空気がありますが、長期に渡って心身の健康を維持するためには、計画的に休む必要があります。
忙しいビジネスマンは「死ぬまでに一度でもいいから乗馬をしたい」などと言います。本人はそれがさも大変なことのように思っているのですが、そんなものは半日あればできます。
死ぬまでに何度でもできるのです。それが出来ないのは、時間がないからではなく精神的にゆとりがないからです。
あなたが変わるための決断力を磨く 10 の心得
上記のタイプに共通するバイアスを知り、あなたが変わるための決断力を磨く10の心得を紹介したい。
これらのやり方を参考にしてもらい、人生における目標の達成の指針として頂ければ幸いである。
① 意思決定能力は向上させることができる
② すべては目標からはじまる
③ 合理的なプロセス6つの手順を使う
④ 何もしないことにもリスクがあることを知る
⑤ 自己を知り、パーソナリティの傾向を知る
⑥ 自分の考えと矛盾する情報を探す
⑦ 中立の第三者は状況をどういう目で見るだろうかと考える
⑧ 偶然の出来事に意味をこじつけない
⑨ 創造力を駆使して選択肢を探す
⑩ 失敗を恐れずチャンスを逃さない
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上記10の心得についてさらに詳しい説明は下のリンクを参照して頂きたい。