【神話と寓話】 割れた窓 見えない影響力を考える

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割れ窓理論】  軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。 犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。

ある郵便受けの近くの壁に落書きがあったり、付近にごみが捨ててあったりした場合、被験者がその郵便受けから5ユーロ札入りの封筒を盗む割合は25%で、郵便受けの周りがきれいだった場合の13%を2倍近く上回った。

オランダでのフィールド実験により、落書きや無節操な花火の打ち上げといった社会規範に反する行為やその形跡を見たときに、被験者も同様に社会規範を無視した行為を行いたがる傾向を実証した、と2008年に報告している。

落書きの有無により、ポイ捨てや窃盗といった反社会的な行為の件数に、2倍以上の開きがあった。 このフィールド実験から、反社会的な行動の痕跡を放置することは、モラルの低下を拡大させると結論づけている。

ビジネス界において、割れ窓理論を適用して成功を収めている例がある。日本・東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでは、ささいな傷をおろそかにせず、ペンキの塗りなおし等の修繕を惜しみなく夜間に頻繁に行うことで、従業員や来客のマナーを向上させることに成功している。

The Broken Window Fallacy

【神話と寓話】 割れた窓

店主であるジャックが、彼の息子が不注意にもガラス窓を割ってしまった時に怒ったのを見たことがあるだろうか?

そういう場合に居合せたならすべての目撃者が、明らかに常識として、この不幸な店主に決まり切った慰めを口にするのを、確実に見ることになるだろう。 「もしガラスが決して割れなかったら、ガラス屋はどうなるのだ?」というものだ。

ガラスを直すのに6フランが必要だとして、その事故はガラス業者に6フランの取引をもたらしたと言う。

6フランの取引を促進したのだと――。 私はそれは認めそれに反する言葉を持ってはいない。理由づけは正しいのだ。ガラス屋が来て、その仕事をして、6フランを受け取り、手を拭いて不注意だった息子に内心では感謝する。これらのすべては見えるものだ。

反対に、もしあなたが窓ガラスを割るのは、お金が回るという点でいいことであって、結果が一般的に言って産業の振興になると結論づけるのであれば、 それに対して叫ばねばならない、「ちょっと待て!あなたの理論は見えるものに限定されている。それは全く見えないものを考慮していない。」

ジャックがあることに6フランを使い、その他のことには使えないということは見えないことだ。 彼が窓を取り換えなくても済んだのなら、古びた靴を買い替えたか、あるいは蔵書棚にもう一冊を加えたことだろう。

彼は6フランを、事故が無ければ、異なったものに利用できたのである。 この状況によって影響を受けた、一般的な産業について吟味してみよう。

窓が割れ、ガラス屋の取り引きは6フラン促進される。これは見えるものだ。 窓が割れなかったなら、靴屋の取り引き(または別のものの取り引き)が6フラン促進されただろう。これは見えないものである。

ジャック本人について考えてみよう。もし窓が割れたという前者の場合、6フランを支出するが、窓から得られる恩恵は以前よりも多くも少なくもない。 窓が割れなかったという第2の場合、6フランを靴に支出して、窓と靴からの恩恵を同時に享受することになっただろう。

見えるものと同時に見えないものをも考慮に入れて、もう一度計算することを願う。 2人の人がいるだけでなく、この状況には3人が関係していることに注意なければならない。

ジャック・ボノムは消費者を代表しており、窓の破壊によって、一つの恩恵にしか与れなかった。 ガラス屋として登場したものは生産者であり、事故によってその取り引きが促進された。

3人目は靴屋(あるいは他の業者)であるが、労働は同じ原因によって同程度に害された。 3人目こそが、常に陰に隠れてしまうのであり、見えないものを体現しており、この問題に必要な要素なのだ。

破壊行為に便益を見るという我々の思考が、いかにバカげたものかを示しているのである。 結局は部分的な破壊でしかない規制というものを便益だとすることが、同じほどにいかにバカげているかを教えてくれるのだ。

よって、有利な証拠としてあげられた議論の根本に遡るなら、見つかるもののすべてが次の通俗的な物言いの言い換えでしかない――もし誰一人窓を壊さなかったら、ガラス屋はどうなってしまうのか?

参照文献(一部抜粋) 【日経BPクラシックス 世界一シンプルな経済学

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