【 ランダムネス・バイアス 】 パターンが迷信に変わる時 縁起担ぎで未来の予測は基本的には不可能
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ランダムネス・バイアス
殆どの人は、自分を取り巻く世界や運命を、多少は自分でコントロールできると信じたいものである。
合理的な意思決定によって自分の将来の大部分をコントロールすることが可能だが、私達の住む世界には常に偶発的な出来事が伴うのが現実だ。
投資の世界においては、短期的には、株価の動きは基本的にランダムであるが、投資家あるいはファイナンシャルアドバイザーの大半は、株価の動きを予測できると信じている。
このランダムネス・バイアスにより、偶発的な出来事の中に意味を見出そうとすることにより、意思決定機能に障害が生じる。
このバイアスの中で最も深刻なものの一つは、想像上のパターンが迷信に変わるときである。以前にうまくいったある行動パターンから発展した縁起担ぎであったりする。
日常生活に影響を与えるようになった場合には、かなり深刻な状態となる。重要な決断にバイアスをかけたりする場合には問題となりうる。
重度なバイアスにかかっている場合、意思決定者が迷信に縛られてしまい、決められた方向を変更したり、新たな情報を客観的に処理したりすることがほぼ不可能となってしまう。
信心深いのは良い事だが信じすぎるのは危険
迷信の類で、物事を決めてしまうことは非常に危険だ。私の知人の経営者は、一人の占い師の結果に基づいて事業の方向性を決めてしまう。
先の見えない経営では、とくに決めてもらうことに安堵感を求める人々も多く、加持祈祷が未だにあるのも、また寺社の寄進などはその典型例である。
神や仏を信じることは基本的には悪くはないのですが、程度の問題であって、上記のように一人の占い師に利害関係者や全従業員の運命を託すまでいくと、もはや正常な判断も出来なくなり、ランダムネス・バイアスがひどい状態まで陥ることになる。
その場合、企業が危機の場合であったり、いくつもの選択肢のある中から事業上困難な状況に陥った場合、決断力不足に陥る。正常な私達の出来ることは、その人々から距離を置く必要に迫られるだろう。