【賢者の視点_オークション理論】 情報を活用しオークションで勝ちを創り出すための3つの心得と最適戦略

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オークションの基本的4形態

私も仕事柄、オークションを利用するうちの一人である。とくにネットオークション以外にも入札関連の仕事もあり、一般的なネットオークションの経験もさることながら、業者間が入札を行うための評価額をどうするかその根拠を考えたり創ったりすることのほうが基本的に好みだ。

そこで今回は、いくつかのオークション形式とその心得、形式ごとの最適戦略を簡単に記載しておきたい。といっても、私たち仕事で憶えておくべき基本原則のみであり、私は学者ではないので、数字的な詳しい根拠などは詳しい書籍で確認していただきたい。なおさらに詳しい情報は、【MBAゲーム理論】を参照されたし。

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【オープン・ビット・オークション】

公開で行われ、買い手同士が他の買い手の行動を知ることができるものである。このオークションでは、同時進行ゲームの連続として分析される。現実には、美術品のオークションが該当する。オープン・ビット・オークションには以下の2つの形式がある。

① 英国式オークション

低い値段から始めていき、一番高値を言った人が落札する形式。美術品のオークションなどはこれが多い。

② オランダ式オークション

高い値段から始めて徐々に売値を引き下げ、最初に「買う」と叫んだ人が落札する形式。バナナのたたき売りが該当し、オランダでチューリップの球根のオークションに使われていたことから、この名がついた。

【シールド・ビット・オークション】

非公開で行われ、各買い手が入札価格を記入して一斉に売り手に提出し、売り手がその中から買い手を選ぶものである。短期間同時進行ゲームと言える。現実には、公共事業や入札や納入業者に見積書を提示させる方式などがこれに該当する。

③ ファースト・プライス・オークション

1番高値の価格を書いた買い手が、その記入した価格で落札する形態。一般に公共事業入札や納入業者の選定などはこれに当たる。(公共事業入札などでは、最も低い価格を書いた業者が落札するが、ゲームとして同じような分析ができる)。

④ セカンド・プライス・オークション

1番高値の価格を書いた買い手が、2番目に高値の価格を書いた人の記入価格で落札する形態。イーベイで採用されている方式もその一種。落札するのは常に最高の入札額を付けた人で、支払うのは二番目の入札額となる。(少なくとも2人の入札価格が出品者の最低競売価格を超えていくと仮定する。)

【オークションゲームにおける最適戦略の原則】

前提

● 自分自身の商品に対する評価価値を知っている
● 競争相手の評価額について、どこまでのレンジであるか (確率分布) のみ知っている

セカンド・プライス及び英国式オークションの場合

● 自分の評価額をそのまま入札価格として提示する (セカンド・プライス)
● 呼び値が自分の評価額に上がるまで承認し続け、呼び値が自分の評価額を超えた瞬間に降りる (英国式)

ファースト・プライス及びオランダ式オークションの場合

● 自己の評価額より低い入札価格を書く
● 各プレイヤーが自己の評価額の半分より少しだけ高い金額を入札価格として提示する。(ナッシュ均衡)

【オークションゲームをビジネスに利用する際の3つの心得】

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① オークション形式を吟味する

まず重要なことは、「どのオークション形式なのか」形式をよく吟味することが重要だ。一般的にオークションに参加する時には、「自己の評価額通りの入札価格を書く」という戦略は誰でも思いつくが、ファースト・プライス形式では、「ほとんどの場合、自己の評価額より低い入札価格を書く」ことがゲーム理論によって導かれ、場合によっては、「自分の評価額の半額より少しだけ高い金額を入札価格として提示する」ことが最適戦略だということすらある。

このように直感的・場当たり的な対処をしていては、なかなか理解できないのではないだろうか。まずこれらの最適戦略を基本として抑え、その形式に即した戦略を展開することが重要である。

② 勝者の呪いを意識する

ビジネスにおけるオークションの大部分は、「共通価値のオークション」に近いケースになる。落札した商品を最終的に転売する、もしくは転売しないにしても、企業の資源として第三者の評価に基づいて毎年貸借対照表上で時価評価する、というカタチで商品の価値を市場の評価に委ねることになるが、自己の評価額通りに金額を書いてしまえば、確かにオークションに勝てるかもしれないが、最終的に高い買い物をして、将来売却損、あるいは評価損を抱えてしまうという「勝者の呪い」の状況に陥る可能性が高い。( ほとんどのプレイヤーはこれでないかと思うが )

このような事態を防ぐためには、評価額よりも少な目に見積ることと、売り手と相談でき交渉が可能なら値下げ交渉を行うといった手が有効である。

その場合「勝者の呪い」の影響は少なく、結果的に売り手にとっても、より高い売却金額をもたらす可能性が高いオークション方法を、売り手に勧めることができる。

③ 談合とオークション形態の関係を理解しておく

オークションにおいては、談合がしばしば問題視される。一般にはファースト・プライス・オークションとオランダ型が最も談合を起こしにくいとされる。「独立個人価値」の「英国式オークション」では、誰かが裏切ったところで得るものが無いので、談合が成立しやすい。

これに対し、オランダ式オークションでは、誰かが裏切って「承諾」と叫んでしまうと、その時点でオークションは終了してしまい、商品は落札される。

つまり、「裏切り者の勝ち逃げ」が可能なのである。したがって、よほど当事者間で信頼が無い限り、談合は成立しにくい。このほかにも、談合が成立する強い要素は、それが一回限りなのか、それとも類似のオークションが将来にわたって行われるかどうかも大きな要素である。

同様のオークションが反復される場合には、裏切った場合の「報復への恐怖」が大きな役割を果たす。公共入札でも、業界プレイヤー同士が団体を組んで、談合を裏切ることによって、他のプレイヤーから報復を受けることが恐怖となり、談合の拘束力は高まる。

こうした事態を防ぐ手段としては、業界団体加盟企業だけでなく、外国企業も含めて自由にオークションの参加を認めることが重要である。常にプレイヤーの顔ぶれが変われば、「将来の報復への恐怖」に基づく拘束力は弱くなるので、「裏切る」ことの方が合理的な戦略であるプレイヤーが参加する可能性が高まる。

まとめ

これはゲーム理論におけるオークションの基本的な戦略であるが、あくまでも理論である。前提やプレイヤーが理論を理解して合理的な動きをするかどうかも実際の現場では分からない。

私たち実務畑の人間は、このような前提があってセオリーはこうなので、今回の事例にいかに応用するかをケースバイケースで考えていくことが重要だ。こういった理論を知らずに現場に放り込まれることも多く、こうした戦略を最初に知っておけば、オークションでの損失もなかっただろうと改めて思いますが、私のように失敗をせずに、豊かなオークションライフを楽しんでいただきたい。 参照文献 MBAゲーム理論

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【参照書籍】 ゲーム理論を学習する際には、とても良い書籍でした。

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