【建築家の意思決定】入札における”勝者の呪い”を払拭する 3つの提案

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私が仕事で遭遇している意思決定の似た事例を考えていこうと思う。 これに似たケースは、毎回コンペを行う場合頻繁に散見される。

【実務演習】

改築工事を請け負う建築会社が、契約を巡り入札を通じて競争を行った。その会社を運営する建築家は、自分の請け負った工事で損をする傾向があると気が付いた。彼は、どうして自分の見積がそれほど系統的に間違ってしまうのか考え始めた。その理由を説明できるだろうか?

【思考プロセス】

工事費用の見積もりをする建築会社は、その工事を実施する費用を推定し、会社にいくらかの利益を残すような提案をしなければならない。工事費用が低い見積もりほど工事を請け負えるチャンスも大きいと期待できるだろう。 その結果、仕事を勝ち取ったという前提のもとでは、その見積額は低い方に属し、工事費用の推定値も低い方に属する傾向が高いはずである。それゆえ、工事費用に関する不遍推定値を得たとしても、平均的には損失を出すことで終わってしまうかもしれないのである。 つまり、勝ち取った工事費用は、その推定値の集まりの全体の代表的なサンプルではないのである。 参考文献 【意思決定理論入門

【前提:予測可能な要素】

  1. 施主側の希望する金額と施工者側の金額は必ず相違し、施主側は平均的な単価の総計である事が多く、地域施工者の希望金額とはならず、金額の平均は必ず低い(安い)。
  2. 設計する業者は、すべての要望を取り入れ、施主側が希望する金額で、その希望金額通りに設計を行うことはほとんどの場合できていない。
  3. 仮に勝利して落札しても、当初から隔たりがあり、値が合わず金額通りに行わなければならない施工者側は、損失を出すことのほうが圧倒的に多い。

以上の前提から提案していくと以下の三つの点となる。

【入札における”勝者の呪い”を払拭する 3つの提案】

  1. 交渉の際、明確なコスト削減目標を掲げ、お互いの金額の均衡点を探し、効果的なVE 【バリューエンジニアリング】 を行う。
  2. 設計者と施工者の他社での分業体制が行われている場合、これに第三者の立場でマネジメントできるCM 【コンストラクションマネージャー 】を置き、全体の調整と計画を推進していく。
  3. CM が難しい場合、どちかかが主導権を握る必要があるが、その際に施主は必要な専門家に依頼か、もしくは複数の選択肢を確保しておく動きを把握し、他社と契約する恐れのある好条件も出来る限り含めておく。( 同業他社などに相見積等の相手の好条件を想定 )

【関連文献】

500万円で家を建てる!
ゼロからはじめる家づくり 必ず知っておきたいこと100
CM(コンストラクション・マネジメント)が建築を変える 理論編
CM(コンストラクション・マネジメント)が建築を変える 実践編
CMガイドブック
最高の工務店をつくる方法-年収300万の家

不偏推定値

不偏推定値とは、期待値を取れば、推定値は正しいことを意味する。独立にそうした推定値をたくさん得れば、その平均は真の値に収束することが期待できるということである。 入札の勝者は典型的には最も高い推定値を導き出したものになり、またこうして共通価値が過大評価される傾向がある。言い換えれば、入札額全体は、不偏推定値の分布からの代表的なサンプルであるが、オークションで落札するような入札額の集まりは偏ったサンプルになる。 ( 意思決定理論入門より )

参照先勝者の呪い

勝者の呪いとは、オークションなどに参加をしている場合、勝者というのは市場の評価額よりも高い値段で落札することが多く、結果的には勝者である人間が損をするという現象を引き起こす現象のことを言う。

オークションが開かれる場合に、オークションに出される品物の価値というものは、その市場の中でほぼ定着をした価値が設定されている場合が多い。このことを「共通価値のオークション」と呼ぶことがある。

共通価値のオークションとして開催されることが多い代表例として、不動産の競売や国債の入札などがあげられる。 オークションに参加するものは、共通価値と呼ばれるマーケット内で定着している常識的に妥当な価格についての情報を得ることができない場合がある。

よってオークションに参加をする前に、オークションに出されている商品の価格について推定をする必要が出てくる。 しかもオークションという形態をとっているため、入札をすることが第一義的となり、また他者と競ることによって、予定よりも高額な値段につりあがることも往々にしてある。

このため、結果的には、入札をした人間は市場価値よりも高い値段で購入する可能性が極めて高くなり、勝者の呪いがおきやすくなるというわけである。

参照先 【母分散の推定(n-1で割る理由):不偏推定量(unbiased estimator)】

参照先不偏性】 議員定数配分方法は人口の大きな選挙区, 小さな選挙区のいずれにも”偏りのない公平な”配分方法でなければならないという特性のこと.一般には最大除数法は人口の大きな選挙区に有利な方法, また最小除数法は人口の小さな選挙区に有利な方法, 最大剰余数法はより不偏的な公平な配分を与える方法であるといわれている. 除数法の中でどれが最も不偏性を有する配分方法かは現在でも未解決の問題である.

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